建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2018年6月号〉

【ズームアップ】

こどもの主体性を重視し安心で安全な校舎設計

―― 非常災害時は地域住民の避難施設として役割を担う

稚内市 稚内南小学校整備事業

外観完成イメージ


 稚内市は「稚内南小学校」の整備事業を進めている。同校は昭和38年から同55年にかけて校舎並びに屋内運動場が建築されてきた。
 市は、施設の老朽化などから、平成25年度に耐力度調査を実施した。結果、文部科学省が示す改築基準に合致することが確認された。平成26年度に基本設計に入り、同27年度に実施設計が決定された。
 整備にあたり、平成27年度〜同31年度までの5ヵ年継続事業で校舎・屋体を改築することになった。先ず屋内運動場建設に着手し、平成28年8月〜同29年6月工期を経て新屋内体育館が完成した。その後、平成29年度より校舎建築に着手し、同30年度の完成を目指し現在U期工事が進められている。

整備趣旨と施設の特徴

 学校施設は児童・生徒にとって一日の大半を過ごす学習・生活の場であり、安心・安全で快適な環境整備と共に一般開放により、スポーツや生涯学習、地域住民のコミュニティ活動の拠点として活用される施設とする。
@こどもたちの主体性を育む学校:学年間も交流や多様な学習に対応するための多目的ホールと図書・メディアセンターの一体利用とする。
A安心、安全な学校:玄関やポーチにスロープを設置し、ゆるやかな階段とする。また、多目的トイレはわかりやすい表示や手すりを設置し、耐震性の高い給水配管引込を採用した。
B環境に配慮した学校:校舎棟は外断熱、屋体棟は内断熱工法とした。また、LED照明や節水型衛生器具の採用などエコ化を進める。
C地域に開かれた学校:体育館使用をスポーツ少年団などに開放することから、開放玄関の設置と時間外使用に備え屋体と校舎にパイプシャッターを設置する。
 一方、地震や風水害など非常災害時においては地域住民の避難場所と地域防災拠点施設としての役割を担うことになる。


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