建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2018年5月号〉

【寄稿】

着実に進む復興支援道路整備【後編】

―― 宮古盛岡横断道路と遠野道路が地域を救う

 国土交通省 東北地方整備局
 岩手河川国道事務所 所長
清水 晃



新区界トンネル貫通式(H30.1.11撮影)

(前号よりつづき)
 宮古盛岡横断道路は、太平洋沿岸内陸との強力な連携を推進することで、被災地の早期復興支援及び平常時も含めた緊急輸送圏域の拡大による安全・安心を確保するため、横断軸の隘路箇所を解消し速達性の確保を目的としています。
 当事務所では「都南川目道路」、「区界道路」、「平津戸松草道路」の3区間約21kmの整備を担当しており、このうち「都南川目道路」の川目IC〜田の沢IC間2.6kmについては、平成28年3月12日に開通しています。
 国道106号都南川目道路は、盛岡市川目第5地割(川目IC)から盛岡市手代森(手代森IC)を結ぶ自動車専用道路です。この区間は平成9年度に事業化となりました。
 構造規格は第1種第3級、設計速度は80km/h、幅員は2車線で13.5m、の計画です。今年度は、交差点改良工事、トンネル舗装工事を促進し、田の沢IC〜手代森IC間の平成31年度の開通を図ります。
 区界道路(区界〜梁簾川)は、宮古市区界第1地割から盛岡市簗川第6地割を結ぶ延長8kmの自動車専用道路です。この区間は平成23年度に事業化となりました。 構造規格は第1種第3級、設計速度は80km/h、幅員は2車線13.5mの計画です。今年度は改良工事、トンネル工事、橋梁工事を促進し、平成32年度の開通を図ります。
 平津戸松草道路(平津戸・岩井〜松草)は、宮古市平津戸から宮古市区界第4地割を結ぶ延長7kmの道路です。この区間は平成23年度に事業化となりました。構造規格は第1種第3級及び第3種第2級、設計速度は80km/h及び60km/h、幅員は2車線13.5m及び12.0mの計画です。今年度は改良工事、トンネル工事、橋梁工事を促進します。

期待される効果

◆隘路箇所の解消による沿岸部と内陸部を結ぶ横断軸の強化、所要時間の短縮による連携・連絡強化を図り、地域の活性化を支援します。
◆救急搬送では、宮古地域からの管外搬送のうち約6割が盛岡市の医療施設へ搬送されていることから、整備により迅速性・安定性が確保されます。
◆急カーブや隘路が解消され、時間短縮(宮古〜盛岡間で約30分短縮)が図られることにより、物流の効率化が促進され、地域産業の活性化を支援します。とりわけ、宮古地域には「浄土ヶ浜」や「海産物」などの観光資源が豊富にあります。宮古盛岡横断道路が整備されることで、盛岡から宮古地域の主要な観光地へは約90分で到達できます。
 被災地の早期復興のため、関係機関並びに地域の皆様と一丸となって、復興支援道路の一日も早い開通を目指し事業を推進してまいります。引き続き皆様のご支援、ご協力を賜りますようお願いいたします。

手代森トンネル貫通式(H29.7.14)

くす玉開披で貫通お披露目 来賓の方々による鏡割り

遠野IC付近(H29.10撮影)


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