建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2018年3月号〉

寄稿シリーズ 現場代理人の目

建設現場の最前線から
〜北海道建設部 稚内建設管理部編


 建設現場は現場代理人をトップに、多くの作業員、重機オペレーターらが、専門的知識と技能をフルに発揮する技術者たちの晴れ舞台でもある。だが、現場は常に平坦な場所とは限らず、寒風吹き荒れる野ざらしの現場や、目のくらむ高所や陽光の届かない地下、坑内の場合もあり、危険も伴うために一般者が立ち入ることは出来ない聖域だ。そうした人目から隔離された建設現場の様子を、最前線で陣頭指揮にあたる現場代理人の寄稿を通じて紹介する。


稚内建設管理部

稚内猿払線(総合)地方道工事(路盤工)1工区

株式会社共成建設

現場代理人 笹森 尚人

 稚内猿払線は地域の基盤産業、物流、観光アクセス向上を図る為の重要路線であり 238 号宗谷岬ルートの道路ネットワーク強化を担っております。
 本工事は国道 238 号線交差点部分を含む約延長 500m の道路改良工事です。起点国道出入口の切替え、起点から延長 100m 程度の路体路床盛土工、既設道路部分約400mの改良拡幅、伐木、法面切盛土工、排水改良、路盤改良、大型標識及び大型視線誘導標の新設、これらが主工事となっています。工事施工に際し着手前着手後の電柱、光ケーブル等の支障物件の関係機関打合せ協議は問題なく進みました。
 環境保全の面では地域の漁場であるオホーツク海に隣接している位置関係上汚濁水の発生防止に努め、また基幹産業である酪農地帯ということもあり騒音振動粉塵対策に配慮いたしました。既設の道路改良工事という性質上工期を通して片側交互通行の施工となりました。交通安全対策では交通誘導員の確保に苦労しましたが協力会社の協力もあり事故災害もなく無事工事を完成いたしました。これからも地域に貢献できる施工を心掛けていく所存です。

礼文島線(防安187)地方道工事外(起登臼工区)路盤工

豊成建設株式会社

現場代理人 能登 典人

 私たちは、礼文島線(防安 187)地方道工事外(起登臼工区)路盤工を担当施工しています。当路線は礼文島内を香深地区から船泊地区を結ぶ唯一の道道であり、通勤・通学等の日常生活における重要路線です。
 当工事は、礼文島線の道路改良工事を目的として急カーブで道路幅員が狭く見通しが悪い箇所の道路改良を行っています。
 本工事では、旧道幅員(W=5.0m)を車道幅員(W=8.0m)に拡幅し歩道部 (W=2.5m)を作り一般車両・歩行者が安全・安心して通行できる道路を施工しました。
 既設道路改良工事なので施工中は片側交互通行での施工になり、交通誘導員の確保に難易しましたが事故無く完了致しました。
 又、落石対策工として切土法面の植生基材吹付(有機質系 t=5cm)の施工を行います。
 これから、気象条件が厳しい時期になりますが、工事竣工にむけ無事故・無災害を達成出来るように作業所一丸となって努力致します。

元村川砂防工事

株式会社中田組

現場代理人 古山 優作

 本事業は利尻島の南に位置している元村川の土砂流出災害防止を目的とした砂防えん堤新設工事です。今年度より新規着工して伐開・工事用道路・本堰堤・副堰堤・側壁工等の施工を行っています。
 施工順序として雨季一次施工時には河川流路を確保しながら床掘を行い、本堤・副堤左右を順次下部からコンクリート打設し、冬期二次施工では河川流路を着手して最後に側壁工の施工を行います。
 現在施工している冬期防寒囲い内でのコンクリート打設は、一次床掘部を埋戻し、防寒養生室の組立・解体等の一連作業を合計4回行います。本堤・副堤の位置間隔が狭く、構造物同士が接近している中での作業となります。
 冬期においては、道道から現場内への工事用道路が季節風の影響で吹き溜まりと視界不良が頻繁に起こり、車両走行時には警戒・監視が必要です。
 工事も残りわずかとなってきているので、工事関係者全員で最後まで無事故・無災害での工事完成を目指して努力します。

元地香深線(防安189)地方道工事外(旧道撤去)

藤・共成経常建設共同企業体(藤建設株式会社)

現場代理人 瀧谷 哲

 当工事は、平成28年に新桃岩トンネルが開通したことをうけ桃岩トンネル(旧トンネル)を閉塞し、それに伴う旧道の撤去工事が主な工事となっています。
 1972年より44年間もの長きにわたって生活道路として利用されてきた桃岩トンネルを閉塞するに当たり、施工前の8月にトンネルの『渡り納め』を企画・実行してからの施工としました。
 現場は、工事開始前より通行止めとなっていましたので、一般道からの出入り口に誘導員を配置し進めています。
 残りの工事は、現在施工中のトンネル内エアモルタル打設作業終了後、旧道の撤去を行い、雪解けを待ち、元地覆道の補修工事を行います。
 今後、工事関係者一丸となり無事故・無災害での工事完成を目指していきます。



クサンル川総合流域防災工事(補正)(繰越)

石塚建設興業株式会社

現場代理人 玉田 稚明

 クサンル川は、クサンル沢川、クサンル左の沢川の支川を合流し、稚内市市街地を流下して稚内港に注ぐ 2級河川です。
 稚内市街地を流れるクサンル川は、河幅が狭いことから、たびたび氾濫します。
 最近では、平成28年9月にも洪水被害が発生しました。そのため現在、河幅を広くするにあたり橋台工の施工を行っていますが、当該工事区間は市街地にあり近隣には住宅、病院、保育所、商業施設などが隣接しているため、当工事の施工に際し、振動や騒音の少ない工法を採用し施工しています。
 鋼矢板による土留・仮締切工やコンクリート構造物取壊し工事などには従来使用していたバイブロハンマー、コンクリートブレーカーなどの振動騒音の低減が難しい機械から油圧式圧入工法(硬質地盤クリア工法)、既設コンクリート擁壁の取壊し作業には、ワイヤーソー、静的油圧破砕器(バースター工法)をを採用し、振動や騒音の少ない工法で周辺環境に配慮し工事を進めています。

知来別漁港 水産生産基盤整備工事(繰越)外

株式会社ササキ

現場代理人 西谷内 和美

 私たちが行って来た工事は、知来別漁港内防砂堤及び浚渫工事です。
 当漁港は、オホーツク海に面しホタテの水揚げで有名です。 20t級から小型船まで数多くの漁船基地港であり、オホーツク海の波浪に対する港内の静穏化を図り、水揚げ作業の安全確保を目的とし行われてる工事で防砂堤施工延長は34.4m、浚渫工事は約6,500m2を1年近く掛け工事を行いました。
 海上作業では基礎マウンドを施工後、水中コンクリート・上部コンクリート・本体ブロックを施工し被覆・根固めブロックや消波ブロックを製作し据付を行いました。
 防砂堤施工が終了後、漁船の航路を確保するため浚渫作業を行いました。
 施工中は潮流や波浪で海上作業が出来ない日が続きましたが、施工は無事故・無災害で無事終了致しました。
 より良い製品を製作し、漁業関係者及び発注者に引き渡す事を念頭に、当社社員・協力会社と一丸となり地域の発展に貢献できるよう無災害を掲げ工事を進めて来ました。
 協力を頂いた漁業関係者・地元住民・発注者や他関係者の方々に感謝致します。


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