建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2018年3月号〉

【TOPICS】

耐震補強や多重無線ネットワークシステム概要などの研究成果を発表

札幌市都市局 平成29年度 建築部技術発表会

発表者の報告に熱心聞き入る職員・関係者の皆さん


 札幌市都市局建築部は、1月16日(金)本庁舎内会議室で「平成29年度建築部技術発表会」を行った。
 この発表会は職員が業務を通じて取り組んだ新技術・研究等について発表し、職員相互の情報交流を図るとともに、発表を通じて説明能力・プレゼンテーション能力を養うことを目的に平成8年より実施しており22回目となる。
 今回は「建築部における被災地支援について」建築保全課の坂井岳さん、山本有香さん。「光星団地耐震改修工事について」建築工事課の佐藤拓馬さん、柏崎七瀬さん。 「多重無線ネットワークシステム更新工事等について」電気設備課の三木隆茂さん、東和也さん。「学校における暖房方式について」機械設備課の村瀬賢太さん、宮部芳春さんらが研究・活動報告を行った。
 最初に、建築保全課の被災地支援活動発表では、自然災害により被災した“東北地方太平洋沖地震”(石巻市)、“熊本地震”(熊本市)に平成28年4月より技術職として派遣され復興支援等の業務に就いている職員からの現地活動が報告された。
 建築工事課の光星団地耐震改修工事では、“既存建物における耐震補強工法”を中心に補強完了までの細かい工程が報告され、改修にあたり建物の規模・構造、工事敷地の面積、工事費等の比較検討で工法の選定が必要とまとめた。ちなみに、光星団地4号棟は「PCaPC外付けフレーム耐震補強工法」、光星団地2号棟は「鋼板巻き立て工法」での補強工事となった。
多くの職員が技術発表会に参加

 電気設備課からは札幌市の多重無線ネットワークシステムは、消防救急デジタル無線と防災行政無線を共有した独自の無線ネットワークで、各無線の中継所として市内全域をカバーしていると説明。平成28年度に竣功した「システム更新工事」「システム更新付帯電源設備等改修」「藻岩山無線基地ほか1局災害情報用カメラ新設」の工事概要が報告された。
 機械設備課からは学校暖房方式(校舎・屋内運動場)や暖房エネルギー消費実績等を実測データに基づき説明。「学校暖房方式の選定は各エネルギーや各システムのメリット・デメリットを考慮し、省エネ性・環境性・災害対応性など建物用途に合わせ多面的な検討を行うことが重要」と報告、今後も継続して取り組むとした。
 この日の技術発表会には、多くの市職員をはじめ道、北海道開発局からも参加し、熱心に研究発表に聞き入った。大場里樹都市局長は「経験者から若手への技術継承が大事」「発表会を通じて技術の維持向上、日常業務に役立てほしい」と期待を込めた。


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