建設グラフインターネットダイジェスト
〈建設グラフ2018年2月号〉
年頭所感
主力産業の漁業・酪農・観光振興に資する整備事業や災害時の体制強化を推進
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国土交通省 北海道開発局 稚内開発建設部 部長 和田 忠幸 |
明けましておめでとうございます。
皆様には、日頃から稚内開発建設部が実施する事業の推進に特段のご支援とご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。
昨年を振り返りますと、北海道内では大きな災害もなく比較的穏やかではありましたが、全国に目を向けると、九州北部での豪雨や相次ぐ台風の襲来など、各地で災害が発生した一年でした。災害の頻発と被害の激甚化に鑑みて、稚内開発建設部においても、職員・組織のさらなる災害対応能力の向上と業界団体等との災害協定を基にした連携の重要性を改めて認識したところです。
さて、稚内開発建設部が管轄する宗谷地方は、漁業と酪農を主力に、世界水準の食糧供給基地として機能しており、利尻・礼文の離島をはじめ豊かな自然と独特の風景など観光資源にも恵まれた地域です。また、国境周辺地域としても我が国の重要な位置にあります。
一方で、厳しい気象条件の下、「生産空間」としては消費地との距離的な問題を抱える地域でもあり、また、急激な人口減少と高齢化が進む中、安全・安心に暮らし続けられる条件の整備が課題となっています。
このような中、「世界の北海道」をキャッチフレーズに「世界水準の価値創造空間」を目指す第 8期の北海道総合開発計画が、閣議決定から3年目を迎えました。
稚内開発建設部といたしましては、地域の資源や特性と第 8期計画の趣旨を踏まえ、産業・観光の振興と定住条件の整備強化に資するため、引き続き地域のインフラの整備と宗谷地方の価値や地域の創造力をより高める取組の実施に努めてまいります。
併せて、関係機関と連携を図りながら「災害に強い地域づくり」を進め、災害発生時には、災害対策用機械の貸し出し、大規模土砂災害時の緊急調査隊の派遣を行うなどの体制面でも地域を支えてまいります。
当部の主な事業をご紹介いたしますと、道路事業では、安全・安心な交通確保のため、防災対策、道路構造物の長寿命化対策、事故ゼロプランに基づく交通安全対策、電線共同溝事業による無電柱化を実施します。
港湾整備事業では、防波堤や岸壁の老朽化対策などに取り組み、安全・安心な船舶の航行や効率的な荷役に資するとともに、枝幸港で屋根付き岸壁の整備を推進し、農水産品の輸出拡大を図ります。
稚内空港では、滑走路舗装の劣化対策を行うとともに、滑走路端安全区域の拡張整備を進め、航空機離発着時の安全性を高めます。
農業農村整備事業では、機能低下した生産基盤を整備する国営総合農地防災事業及び区画整理により効率的な生産体制を確立する国営農地再編整備事業の実施並びに国営土地改良事業に係る各種調査を進めます。
水産基盤整備事業では、水産物の流通機能の強化、漁船係留の安全性向上と漁業活動の効率化や就労環境の改善を図る施設の整備に取り組みます。
管内市町村や地元建設業への技術的支援では、技術講習会の開催や建設協会等との意見交換を通じた地域課題の改善に取り組みます。
結びに、本年が皆様にとって健やかで明るい年となりますよう御祈念申し上げ、年頭の挨拶といたします。
和田 忠幸 わだ・ただゆき |
昭和36年10月12日生(56歳) 北海道出身 |
昭和61年3月 北海道大学 工学部 土木工学科 卒業 |
昭和61年4月1日 北海道開発庁(室蘭開発建設部) 採用 |
平成17年4月1日 建設部 地方整備課 地域事業管理官 |
平成18年4月1日 四国地方整備局 道路部 道路調査官 |
平成20年4月1日 独立行政法人 土木研究所 寒地土木研究所 研究調整監付総括研究監 |
平成21年7月10日 函館開発建設部次長 |
平成22年7月1日 北海道局 地政課 事業計画調整官 |
平成26年4月1日 事業振興部 技術管理課長 |
平成28年4月1日 稚内開発建設部長 |
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