建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2018年2月号〉

年頭所感

日勝峠14か月ぶりに開通改めて災害対策強化と地域特性の「食」「観光」資源を活かす事業推進

国土交通省 北海道開発局
室蘭開発建設部 部長 平野 令緒


 明けましておめでとうございます。皆様におかれましては、健やかに新年をお迎えのことと心からお慶び申し上げます。
 室蘭開発建設部が実施している事業の推進につきましては、日頃から特段のご支援とご協力を賜り、厚く御礼を申し上げます。本年も地域の皆様の安全・安心を念頭に、地域が元気になる仕事を果たせるよう、職員一丸となって取り組んで参りますので、昨年同様のご支援をお願いいたします。
 昨年を振り返りますと、平成28年の台風10号で未曾有の大災害に見舞われた国道274号日勝峠は、10月28日に14か月ぶりに通行止め解除となりました。9月の台風18号では、記録的な大雨の影響により国道36号竹浦橋(白老町)の橋脚が沈下する等、重大な損傷を受けました。
 激甚化・多様化する自然災害を目の当たりにして、改めて災害に強い社会資本整備の必要性や建設業の果たす役割の重要性を強く認識したと ころです。
 本年もこのような災害への対策として、災害に強い社会資本の整備に加え、災害時には被災自治体へリエゾンやTEC−FORCEの派遣、災害対策用機械の出動により地域と連携した災害対策を進めるとともに、地域の防災力向上に向けた取り組みを進めて参ります。
 当部といたしましては、安全・安心な国土づくりを進めるため、治水事業では、平取ダム本体工事、鵡川・沙流川の河川改修、樽前山の砂防施設整備、胆振海岸の人工リーフの整備・復旧を実施していきます。また、道路事業では、高規格幹線道路日高自動車道の整備や国道453号蟠渓道路の防災事業、国道276号緑跨線橋架替などの耐震対策のほか、民族共生象徴空間へのアクセス整備の一環として、今年度事業化された国道36号白老拡幅は、一部区間で工事に着手しているところです。
 さらに港湾整備事業では、老朽化した岸壁の機能回復や荷役の安全性向上を図るための施設整備を、水産基盤整備事業では、漁業活動の安全性の向上や水産物の衛生管理対策に資する施設の整備を実施していきます。
 そして、農業農村整備事業では、農業経営力強化につなげるため、勇払東部(二期)地区、フモンケ地区及び新鵡川地区において、用排水施設の整備を実施していきます。
 管内は、道内有数の製造業、多彩な農水産資源、豊かな自然を活かした観光など、魅力あふれる地域です。今年は室蘭市のシンボルであり、物流・観光・生活に欠かせない存在となった白鳥大橋が開通後20年の節目を迎え、6月には室蘭港〜宮古港を結ぶフェリーが就航します。また、10月には様似町のアポイ岳ジオパークでジオパーク全国大会が開催されるほか、2020年には白老町に民族共生象徴空間が開設するなど、さまざまな取組が進んでいます。
 当部としても北海道総合開発計画のキャッチフレーズ「世界の北海道」を目指し、産業、縄文・アイヌ文化、食・観光等の多様な魅力をつなぎ、地域の強みを活かす社会資本整備を意識しながら、地域の発展に貢献したいと考えています。
 本年が皆様にとって希望に満ちた、輝かしい年となりますようご祈念申し上げ、新年のご挨拶といたします。

平野 令緒 ひらの・れお
昭和36年3月31日生 京都府出身
昭和61年 3月 信州大学工学部卒業
国家公務員T種(砂防)
昭和61年 4月 北海道開発庁(帯広開発建設部)採用
平成6年 6月 北海道開発局石狩川開発建設部 千歳川放水路建設事務所計画課長
平成8年 4月 同 帯広開発建設部治水課長
平成10年 4月 同 網走開発建設部道路第1課長
平成10年 11月 建設省土木研究所企画部ダム計画官
平成13年 4月 北海道開発局建設部河川計画課長補佐
平成17年 4月 同 石狩川開発建設部岩見沢河川事務所長
平成19年10月 同 石狩川開発建設部千歳川河川事務所長
平成20年 4月 同 建設部河川計画課河川企画官
平成21年 4月 同 旭川開発建設部次長
平成23年 4月 同 札幌開発建設部次長
平成24年 4月 東北地方整備局湯沢河川国道事務所長
平成26年 4月 北海道開発局開発監理部開発環境課長
平成27年 4月 同 開発監理部開発連携推進課長
平成29年 4月 同 室蘭開発建設部長

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