建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2018年2月号〉

年頭所感

高速交通ネットワーク形成で観光地への速達性向上と物流ルートの代替性確保等を図り地域活性化を推進

国土交通省 北海道開発局
旭川開発建設部 部長 樺澤 孝人


 新年あけましておめでとうございます。平成30年の新春を迎え、謹んでご挨拶を申し上げます。
 昨年は、9月に台風第18号から変わった温帯低気圧により、道内各地が被害を受けました。幸い上川地方では大きな災害はありませんでしたが、近年頻発する自然災害から国民の生命と暮らしを守るため、今後とも各自治体との連携強化に努め、地域防災力強化に向けた総合的な支援・協力を進めてまいります。
 一昨年の連続台風・大雨により被災した箇所については、建設業界の皆様の多大なご支援ご協力により復旧が進んでおります。地域の安全・安心はインフラ整備を通じて地元の建設業界に携わる皆様によって支えられていることを再認識すると共に、今後は建設業における担い手確保に取り組んで行くことが重要になると感じたところです。
 平成29年3月には政府の働き方改革実現会議で「働き方改革実行計画」が決定されました。北海道開発局においても、建設業及び建設関連産業について、適正な工期設定や適正な賃金水準の確保、週休2日の推進などによる休日の確保など、労働環境の整備及び技術者技能労働者の確保・育成やその活躍を図るため、「建設業等の働き方改革推進本部」を設置したところであり、関係業界の皆様方と協力しつつ、これらについて積極的に取り組んでまいります。
 さて、第8期北海道総合開発計画が策定されて3年目となりますが、基本方針に掲げられている北海道型地域構造の保持・形成に向けた取組として「名寄周辺モデル地域圏域検討会」を立ち上げ、「生産空間」に住み続けられる環境づくりについて検討を行うなど、「世界の北海道」の実現を目指し開発事業を展開してまいります。
 治水事業では、石狩川上流において旭川市街部の河床低下対策のほか、堤防整備や河道掘削、堤防裏法尻補強、支川ウッペツ川の合流点処理である水門整備を実施します。天塩川上流では美深地区で河道掘削を実施し、引き続き治水安全度の向上を図ります。砂防事業では、十勝岳が前回噴火から30年が経過し、噴火の逼迫性が高まっていることから、堰堤掘削や除石による流路拡幅等によって、融雪型火山泥流災害に備えるほか、層雲峡地区では、層雲峡小学校の沢において遊砂地整備による土砂災害防止の取組を進めます。天塩川の洪水調節や水道用水の供給、水力発電等を目的として下川町において建設を進めているサンルダムは、平成30年度には完成し、試験湛水を行う予定です。
 道路事業では、北海道縦貫自動車道「士別剣淵〜名寄」や一般国道 40号「音威子府バイパス」、旭川十勝道路「富良野道路」、「富良野北道路」等の整備を推進します。特に、観光期における渋滞緩和、観光地へのアクセスや周遊性向上が期待される「富良野道路」については、旭川空港国際線ターミナル拡張にあわせ、平成30年度開通を目標に事業を進め、また、一般国道39号「比布大橋架替」を推進していきます。
 農業農村整備事業では、農家戸数が減少する中、大規模で効率的な農業を展開するための大区画ほ場等の基盤整備に取組みます。国営緊急農地再編整備事業「北野地区」、「愛別地区」及び「大雪東川第一地区」などの事業推進を図るとともに、昨年度事業着手となった国営緊急農地再編整備事業「旭東東神楽地区」が本格的に着工するほか、「旭東地区」の調査を継続してまいります。
 観光面では、河川・道路インフラを活かしたサイクルツーリズムの振興のほか、今年は北海道命名150年であり、「北海道」の名付け親である松浦武四郎の足跡が残る天塩川の知名度アップなど、市町村や各種団体とも連携しながら観光振興に向けての取組を進めてまいります。
 結びに、皆様のご健勝と益々のご活躍を心から祈念し、新年のご挨拶といたします。

樺澤 孝人 かばさわ・たかと
昭和39年9月6日生
昭和58年 3月 北海道岩見沢東高等学校卒業
昭和62年 3月 北海道大学 工学部 土木工学科卒業
平成元年 3月 北海道大学大学院 工学研究科 土木工学専攻 修了
平成元年 4月 北海道開発庁 採用
平成20年 4月 国土交通省北海道開発局石狩川開発建設部千歳川河川事務所長
平成22年 7月 同 北海道開発局函館開発建設部次長
平成25年 7月 同 北海道局水政課企画官
平成26年 4月 同 北海道局企画調整官
平成27年 1月 同 北海道開発局開発監理部付
平成27年 7月 同 北海道開発局開発監理部開発調整課長
平成29年 4月 同 北海道開発局旭川開発建設部長

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