建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2018年2月号〉

年頭所感

水産・農業・観光資源の多様的支援をはじめ函館港若松地区クルーズ船岸壁整備に着手

国土交通省 北海道開発局
函館開発建設部 部長 菊池 一雄


 新年明けましておめでとうございます。日頃から函館開発建設部の施策推進に特段のご理解とご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。
 昨年を振り返りますと、管内に襲来した台風18号などによる記録的な暴風雨に伴い、土砂崩れや高波等が発生し住民生活に多大な影響をもたらしました。当部では、通行止め箇所の早期復旧や美利河ダムによる後志利別川の洪水調節を行い、被害の発生や拡大を防ぐとともに、関係自治体に現地情報連絡員(リエゾン)を派遣するなど、防災面での地方公共団体の応援・支援を積極的に行い、災害を踏まえて体制も見直しました。
 事業等の節目となるものとしては、3月に国営かんがい排水事業「大野平野地区」が完了、函館港における幹線臨港道路湾岸線の全線開通と耐震岸壁である北ふ頭地区岸壁の完成、11月に「函館港若松地区クルーズ船岸壁整備事業」の本格的な工事着手、七飯町の「なないろ・ななえ」道の駅登録(今春開業予定)がありました。
 今後も継続していく管内の事業としては、治水関係では、日本一の清流であり当部で直轄管理している後志利別川において、水災害のない安全・安心で活力ある魅力的な地域づくりを目指し、ハード・ソフト一体的に洪水対策を進めます。特に、大規模な氾濫の発生に備え、国・道・町・警察・消防など防災関係機関と住民が一緒になって、大規模水害に備えるタイムライン(事前防災行動計画)の策定に取り組んでいきます。
 道路関係では、北海道縦貫自動車道、函館・江差自動車道、函館新外環状道路など広域交通ネットワークを整備し、広域周遊型観光の促進、豊かな農水産品の物流効率化、災害時のリダンダンシーの確保などを図るとともに、橋梁・トンネル等の老朽化対策の本格実施や事故データ等に基づく交通安全対策、道路防災の向上や安全快適な通行空間を目指した無電柱化を推進します。
 港湾・空港関係では、函館港若松地区クルーズ船岸壁整備事業をはじめ、管内6港において物流機能の強化と地域経済の活性化を図り、安全・安心な暮らしを支える港湾整備を行うとともに、函館空港の老朽化した滑走路の改良や航空機がオーバーランまたはアンダーシュートを起した場合の損傷を軽減させる滑走路端安全区域(RESA)の整備など、国内外の航空ネットワーク機能強化に向けた更新・改良を進めます。
 農業・水産関係では、国営緊急農地再編整備事業「今金南地区」及び「今金北地区」において、大区画化等の整備を行い、産地収益力の向上と併せて担い手への農地集積を加速化し、新たな地域農業支援システムの構築を図るとともに、管内 3・4種の 7漁港において国産水産物の更なる品質や付加価値の向上を目指した衛生管理や安定供給のための基盤強化対策、大規模自然災害に備えた漁港地域の防災・減災対策を進めます。
 函館開発建設部では、職員一丸となり、効果的な事業推進と低コストで良質な社会資本整備を進めていくとともに、第 8期北海道総合開発計画を踏まえ、地域の価値を創造し、社会資本のストック効果を高めるべく、地域経済界、金融機関、大学等研究機関、地方自治体、地域住民等と連携・協働し、地域の強みである水産、農業並びに観光を支援する多様な活動に取り組んでいきます。
 最後に、引き続き地域の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げますとともに、皆様の益々のご健勝とご多幸を心からご祈念申し上げ、年頭のご挨拶といたします。

菊池 一雄 きくち・かずお
昭和37年2月20日生
昭和59年3月 神戸大学農学部農業工学科卒業
昭和59年4月 北海道開発庁(網走開発建設部)採用
平成22年4月 北海道開発局開発監理部開発調査官
平成24年4月 北海道開発局札幌開発建設部次長
平成25年4月 北海道開発局農業水産部農業整備課長
平成27年4月 北海道開発局農業水産部農業調査課長
平成28年6月 北海道開発局函館開発建設部長

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