建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2018年2月号〉

年頭所感

多発する自然災害に的確な対応で安全・安心な暮らしの確保と地域の健全な発展を支える

国土交通省 北海道開発局
札幌開発建設部 部長 宮島 滋近


 新年、明けましておめでとうございます。皆様には健やかな新春をお迎えのこととお慶び申し上げますとともに、日頃から当部の事業の推進につきまして特段のご支援とご協力を賜り厚くお礼申し上げます。
 昨年を振り返りますと、気象観測史上でも最大級の集中豪雨である「平成29年7月九州北部豪雨」が発生するなどの台風による被害が相次ぎました。被災された方々には、心よりお見舞い申し上げます。
 また、7月22日からの梅雨前線に伴う大雨による東北地方の被災地の応急対策を支援するため、テックフォースと道路維持工事を担う3社の協力を得て路面清掃隊を秋田県に派遣しました。
 当部の管内においては、国道231号石狩市浜益区で土砂崩れ及び落石が発生しました。迅速かつ懸命な災害対応にあたられた関係機関や住民の皆様に心からの敬意と感謝を申し上げます。
 これらの災害を通じ、防災・減災、緊急時の的確な対応が如何に重要であるかを認識しており、今後も管内だけではなく広域的な支援が求められることから、引き続き関係者の皆様のご協力をお願いするところです。
 札幌開発建設部は、石狩、空知地方の全域及び上川地方の一部を含む地域を管轄しています。8期目となる北海道総合開発計画が閣議決定され、3年目となります。世界水準の価値創造空間の形成を目指して、人や物の流れを安定させる道路や空港、効率が高く生産性の向上を図る農地基盤の整備を行い、またそれらの空間を守る治水対策や防災に職員一丸となって取り組んでまいります。
 河川事業では、堤防整備や河道掘削など「洪水氾濫を未然に防ぐ対策」に加えて、石狩川流域で大きな治水効果が見込める北村遊水地事業や洪水常襲地帯である千歳川流域での遊水地群の整備等を推進します。ダム事業においては新桂沢ダム本体と付替道路工事を推進するとともに、昨年 7月に河川整備計画を変更した雨竜川において既設の利水ダムを有効活用した雨竜川ダム再生事業の検討に着手します。また、想定される最大規模の降雨に対応したハザードマップの作成や、避難や災害対応活動をスムーズに進めるためのタイムラインの作成など減災対策に取り組む自治体を積極的に支援させていただきます。
 道路事業では、食と観光を担う「生産空間」と市街地・圏域中心都市等のアクセス強化等を図るため、平成31年度に開通を予定している道央圏連絡道路泉郷道路をはじめ、国道230号定山渓拡幅及び国道275号江別北道路等の整備を推進します。また、安全で円滑な冬期道路交通の確保を図るため、気象状況や交通状況等を踏まえた、適切なタイミングでの除排雪の実施や、メンテナンスサイクルによる橋梁等の老朽化対策、無電柱化の推進、事故ゼロプラン(事故危険区間重点解消作戦)等に基づいた交通安全対策を推進します。
 空港事業では、新千歳空港において、国際線旅客の急激な増加に対応するため、誘導路新設とエプロン拡張等により空港の処理能力を向上し、訪日外国人旅行者受入機能の強化を図る国際線ターミナル地域再編事業を進めます。また、北海道内外の航空ネットワークの維持を図るための空港施設の老朽化対策や地震発生時の緊急輸送拠点機能の確保と航空ネットワークの維持及び道内の経済活動の継続性を確保する耐震対策を推進します。
 公園事業では、国営滝野すずらん丘陵公園において、増加している外国からのお客様やより多くの方々に満足していただけるよう、運営・維持管理を行っていきます。また、平成32年の一般公開を目指して、白老町に設置する国立民族共生公園の整備を推進します。
 農業事業では、北海道が我が国の食料供給基地としての役割を担っていくため、ほ場の排水改良や大区画化・担い手への農地集積による生産性向上を通じた地域の振興を図る国営農地再編整備事業等を妹背牛地区外4地区で継続した整備を進めます。また、農業水利施設の計画的な更新・整備により用排水機能を確保するため、国営かんがい排水事業等を北海地区外5地区で継続した整備を進めるほか、新たに幌向川二期地区の整備を始め、篠津中央二期地区については地区完了します。さらに、土地改良施設の長寿命化に向け、国営造成水利施設保全対策指導事業により各種施設の機能診断を引続き実施します。
 今年も各方面の方々からのご意見を大切にしながら、限られた予算で効率的かつ効果的に各事業の推進を図り、災害に強い安全・安心な暮らしの確保と地域の健全な発展を支えていくために一層の努力をしていきたいと考えております。引き続き皆様のご支援、ご協力をお願いいたします。
 結びに、本年が皆様にとりまして素晴らしい年になることをご祈念いたしまして、年頭のご挨拶といたします。


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