建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2017年11月号〉

警視庁下谷警察署庁舎(28)改築工事

―― 地域に愛される庁舎を目指して

 清水・村本・池田建設共同企業体、警視庁下谷警察署庁舎(28)改築工事
 清水建設株式会社
荻野 敦




全景


 警視庁下谷警察署は、地下鉄日比谷線入谷駅と三ノ輪駅のほぼ中間に位置し、昭和通り(国道四号線、日光街道)に面した敷地に、大正時代から続く歴史ある警察署です。
 当工事は、既存の下谷警察署庁舎の老朽化、耐震性の問題、駐車場不足等に対応する為に計画された既存庁舎の解体工事及び新庁舎の建設工事です。着工は平成28年7月、完成は平成31年7月を予定しています。
 建物概要は、敷地面積2,275.25u、延べ床面積13,602.67u、地下2階(RC造、SRC造)、地上13階(S造)、完成後は、最高高さが59.82mの都内警察署の中では屈指の高さを誇る警察署になります。
 計画地の一部は昭和通りに面するものの、L型に奥まった形状となっており、奥は周囲をマンションと一般住宅に囲まれています。このような立地条件での警察署の建設にあたり、工事施工者が近隣の皆様にご迷惑をお掛けしないよう、常に近隣の皆様への配慮を心がけています。
 近隣の方からの電話が繋がりやすいように近隣専用ダイヤルを設ける他、夜間でも記録が残る近隣専用メールアドレスを設けるなど、極力近隣の方の声が聞けるような工夫を施しています。更に、工事現場の仮囲には、大型の掲示板を2カ所に設け、仮囲の中で行われている工事の全景写真など、可能な限り情報を掲示し、前を通行する方の不安を払拭するようにしています。
 工事説明会は法令で定められた着工前の1回だけでなく、年に1回、工事内容の切替え時期に開催を予定しています。今年8月末に開催した第2回説明会では、近隣の皆様と直接顔を合わせることで、率直かつ有意義な意見交換ができました。今後も、下谷署の職員の方々が築いてこられた近隣の皆様との信頼関係を当工事により壊さぬよう、引続き構築していきたいと思います。
 当社がこれまでに行った既存地下解体工事、山留め築造工事、本設杭工事は順調に進捗し、9月末にいよいよ地下の掘削工事に着手しました。掘削工事完了後は新築工事が本格的に始まります。一方で、東京都内では、オリンピック関連をはじめとする各種の大型工事がピークを迎えます。資材や協力会社の人員の不足が予想される中、この影響を最小限に抑えるため、発注者様、設計者様の全面的な協力のもと、施工図・製作図の早期承認を行うことにより、早めの資材や協力会社の人員の確保、早めの工場製作ラインの確保を目指しています。
 当工事には、建築工事を行う当社以外にも電気工事、空調設備工事などの専門工事を行う多数の会社が携わっています。まずは我々施工者が連携を図りながら、一つの思いで現場をまとめていかなくてはなりません。風通しの良い現場組織を作り、工期通りに、高品質で住民の皆様に愛される庁舎を無事故無災害で作り上げていく所存です。


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