建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2017年11月号〉

【ZOOM UP】

多様化する教育・学習形態に対応した新学校「羅臼町立知床未来中学校」の建設進む

―― 生徒の安心・安全と強靭な地域防災拠点施設に期待高まる

北海道羅臼町 町立知床未来中学校建設事業

外観完成イメージ

 世界自然遺産の町・羅臼町は「羅臼町立学校適正配置計画」に基づき、2つの中学校(春松中学校・羅臼中学校)を廃校し、新設の“知床未来中学校”の建設を進めている。
 新校舎の完成は平成30年2月で開校は4月となる。

建設経緯

 羅臼町では平成16年当時、小学校5校、中学校4校を有していたが、児童生徒の減少により将来的に小学校2校、中学校1校の統廃合とする方向性が示されていた。
 また、平成17年市町村合併を断念し「自立のまちづくり」プランを策定した。(平成18年から10年間)その中で、少子化に伴う学校の適正配置(統合)は避けられない状況から、将来の生徒数を勘案し、適正規模の中学校改築に取り組むことになった。
 さらに施設の老朽化が著しいことや、地震、津波などの災害から児童・生徒・地域住民の安全確保をコンセプトに、地域住民等と協議し、合意を得て2校を統合した新設中学校を羅臼中学校敷地内に新設することになった。

建設にあたり

@2階の中心に3階までの吹き抜け空間とした多目的ホールを配置した。2階と3階を一体化し、回遊性のある空間としたことで、様々な活動と楽しい出来事を内包するシンボル空間としている。
A地域学習の場として地域の参加と交流の場としての機能を持たせている。
Bグラウンドを含め、避難施設機能を担っている。

●学びをつなげる教育の未来を創る学校づくり

・ 余裕ある普通教室スペース。
・ 生徒数の増減、弾力的な集団編成や多様な学習形態にも対応できる教室。「少人数教育」「習熟度別学習」「小中あるいは中高一貫教育」への対応と多目的スペースの配置。
・ 校内LANを導入。インターネットでの交流授業やコミュニケーションを可能とする情報環境を推進
・ 生徒の安心・安全として、登下校や屋外での活動など見守りを支える職員室の配置。
・ 相談室・カウンセラールームの設置。

●人と自然に優しい健康的で快適な

 学校づくり
・ 快適な登下校と安全面に配慮し、学校敷地付近まで歩道シェルター延長整備する。
・ 施設は日照や採光等を配慮したほか、断熱や省エネ対策として暖房設備は温泉熱利用で快適空間を創出する。

●地域と共生する学校づくり

・ 地域の人々の学習・スポーツ活動への学校開放と多目的ホールの整備やPTA室の設置。
・ 閉校となる両校の記憶と、新たな学校の歴史を刻むメモリアルスペースの整備。
・ 自然災害に強い強靭な施設。地域防災拠点・避難所として利用できる防災備蓄品など保管スペースを確保する。
・ 幼児から高齢者に優しいユニバーサルデザインの導入。


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