建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2017年10月号〉

【ZOOM UP】

幼保一体化と子育て支援・地域交流センターを併設し待機児童対策に配慮した保育所を新築

―― 児童の安心・安全と“木の温もり”あふれる園舎が30年4月開所

倶知安町立統合保育所建設事業

外観完成イメージ

 倶知安町では、新設保育所の建設事業を進めている。現在、倶知安町には、「倶知安保育所」「みなみ保育所」「八幡保育所」の3か所の公立保育所が設置されているが、建設されたのは倶知安保育所が昭和45年10月、みなみ保育所は同50年11月、八幡保育所は同52年2月と施設の老朽化が著しく、これまで大規模改修も実施されていない状況だった。
 耐震基準が改正された昭和55年以前の建物であり耐震性の問題や子どもたちの安心・安全な保育環境整備としても新設や大規模改修が喫緊の課題であった。
 また、近年はニセコエリアのスキー場周辺は国内外から多くの観光客が訪れており、それに伴い外国資本による大型施設が多数建設された。それに伴い就労機会が増加したこともあり、倶知安町の待機児童の解消に向けた施策も必要となっていた。

課題解消に向けて

 これらの課題を解決のために、町内に3つある私立幼稚園を交え、官民が協働して子育て施策の協議を進めた。これは、国において、平成24年8月に「子ども・子育て関連3法」が交付、平成27年4月に施行された認定こども園整備拡充がもり込まれていた。これらを踏まえ、協議の結果3つの私立幼稚園は3歳児から5歳児保育を必要とする子どもたちを受け入れる、幼保一体となった「認定こども園」の提案がなされた。
 結果、3幼稚園を認定こども園とし、倶知安町は老朽化が著しい既存の3つの公立保育所を統合して、0歳児から2歳児の定員を増加し、待機児童の解消を進めるとともに、子育て支援策を総括して実施できるよう、新設の保育所1施設を建設することになった。

施設の基本テーマ

@子育て世代の集いの場となる施設と子育て支援センターを併設する。
A子育てに対する多様な支援ができる施設とし、地域交流センターを設置する。
B全ての利用者にやさしいユニバーサルデザインによる施設とする。
C子どもへの目配りがし易い配置設計で幼児用トイレなどは保育室に隣接、保育士の目線で視線が通る配置とする。
D防災・防火・防犯に配慮した施設設計で、避難施設としての機能を有し、災害時にも活動できる施設。また、職員室から昇降口や駐車場への視認性を確保し不審者や侵入者を抑制・防止できる園舎の配置とする。
E木のぬくもりを重視し、柱・梁などは羊蹄山麓内の伐採材を100%使用した木造園舎で、内装にも積極的な木材利用で“温かみある施設”とする。
F倶知安地区は豪雪地帯であることから、冬期間の除排雪や風雪対策を考慮した施設とする。

 以上の基本設計で、保育、子育て支援センター、地域交流センターを併設した、新保育所が平成30年4月開所を目指し建設が進められている。


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