建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2017年6月号〉

函館江差自動車道 北斗市 渡島トンネル北斗工区工事

 大林・宮坂・松本特定建設工事共同企業体
 渡島トンネル北斗JV工事事務所 現場代理人
 高橋 佳孝



 函館江差自動車道は、北海道縦貫自動車道、函館新道等と一体となって高速ネットワークを形成する一般国道の自動車専用道路です。現在、北斗茂辺地IC〜木古内IC(仮称)までの延長16.0qの茂辺地木古内道路で事業が行われています。
 渡島トンネルは、茂辺地木古内道路事業区間のうち、全長2,518mのトンネルであり、当企業体の北斗工区工事は、北斗市側1,431mを担当しています。
 トンネルの主な地質は低強度の砂岩で、トンネル中央部では大量の湧水も発生しましたが、清濁分離排水や濁水処理設備の増強、インバート先行施工などの対策により、工程に支障を来たすことなく施工を進めることができました。
 坑口は斜面中腹に位置し、坑口前スペースが狭隘であるとともに、トンネル仮設備ヤードから坑口までの工事用道路が急勾配・急カーブであったため、安全性が懸念されましたが、土留による坑口前スペースの拡張、工事用道路にロードヒーティングを導入することにより、夜間作業も含め、無事故で施工を進めることができました。

 坑口周辺2q圏内には住宅地や観光施設、学校等があり、それらの施設への特段の配慮が必要でしたが、機械掘削方式の採用による発破騒音・振動対策、二次運搬路の舗装および速度制限による粉じん抑制対策、毎月町内会へ広報誌を配布するなどの対応により、近隣への工事の影響を最小限とどめました。
 最後に、平成29年3月に本貫通および貫通式を無事に迎えることができました。発注者であります北海道開発局函館開発建設部の皆様をはじめ、多くの関係者様のご指導、ご協力に深謝申し上げます。二次覆工、坑門工などが残工事としてありますが、竣工まで高品質・無事故・無災害を目指して努力していく所存です。

仮設計画(全景) 貫通掘削


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