寄稿建設現場の最前線から～北海道建設部稚内建設管理部編

建設現場は現場代理人をトップに、多くの作業員、重機オペレーターらが、専門的知識と技能をフルに発揮する技術者たちの晴れ舞台でもある。だが、現場は常に平坦な場所とは限らず、寒風吹き荒れる野ざらしの現場や、目のくらむ高所や陽光の届かない地下、坑内の場合もあり、危険も伴うために一般者が立ち入ることは出来ない聖域だ。そうした人目から隔離された建設現場の様子を、最前線で陣頭指揮にあたる現場代理人の寄稿を通じて紹介する。

稚内建設管理部

雄忠志内漁港水産生産基盤整備工事（補正・繰越）

本事業は利尻島の北東部に位置している雄忠志内漁港の航路及び港内の静穏化を図る事を目的とした、北防波堤の嵩上工事です。平成27年から新規着工して、本工事では本体・上部の腹付コンクリート、胸壁の嵩上コンクリート、消波ブロックの製作据付等の施工を行っています。
当漁港では毎年秋からの季節風の影響で、北防波堤を越波する時化の日が多くなり、港内に停泊している漁船の係留に十分な警戒が必要となる日が続き、漁港利用者が大変苦労をしています。
この度の嵩上工事は漁港利用者が待ち望んでいた事業であり、港内の静穏化が図られ安心して漁船が係留できる漁港へと変わります。
漁港利用者が安心・安全に使用できる漁港の完成に向け、工事関係者一丸となり安全管理には十分な配慮をして、無事故・無災害での工事完成を目指して行きます。

元地香深線(防安218)地方道工事(路盤工)1工区

当工事は、新桃岩トンネルの開通に向けた、元地側の抗口の道路改良工事です。
現場は、旧道の交通を確保しながら、新道へ車線を4工区に分けて徐々にスライドさせる工程で施工しました。施工箇所は、トンネル内の舗装コンクリート、抗口周辺の電気・通信・照明・非常用施設・水道等の工事が輻輳しており、平成28年11月25日の開通という、期限の決められた中での施工でした。
現在残りの工事としては、施工順序が逆になりましたが、抗口周辺の法面の安全確保として、ロービングウォール工法にて、法面の吹付を行っています。
工事も残り少なく当社職員、協力会社全員で工事完成に向けて日々努力しております。

頓別川広域河川改修工事（中頓別工区）

頓別川はオホーツク海に注ぐ二級河川で過去に洪水により浸水被害が発生したため、堤防の新設や河道の掘削による河積の拡大を行い浜頓別町、中頓別町の市街地及び農地の浸水被害を防止することを目的とし本工事が進められております。
主な工事内容は掘削した土砂を国道275号を通り指定場所に運搬する作業です。
施工時期が冬季と言うこともあり交通労働災害の防止を徹底し安全に工事を施工することを心掛けています。又、工事期間中は地先の方や関係機関、協力会社とのコミュニケーションを密にとり工事を進めるよう努めてまいります。

浜鬼志別漁港水産流通基盤整備工事（浚渫）

当工事はホタテの水揚げ地で有名な猿払村浜鬼志別漁港の浚渫工事です。外海からの漂砂により漁船の航行に支障となる為、浚渫作業を行い航路を確保します。
今年は、流氷の訪れも例年より早く時化が多い年ですが、気象条件を把握、工程管理を行い凪を逃さぬよう進めて行きたいと思います。地域住民、漁業関係者、その他関係者の方々のご協力のおかげで工事を進めております。
育った地元に、貢献出来る様、これからも、気を抜く事無く作業を安全に効率よく進められるよう細心の注意を払い無事故・無災害での工事完成を目指しています。

稚咲内豊富停車場線（防安４７９）地方道工事（路盤工）

稚咲内豊富停車場線は(利尻礼文サロベツ国立公園）内を縦断する道道です、そのため施工前に現場従事者全員に教育・ミーティングを通じて、『サロベツ環境保全』の概要を説明して周知させると共に、周辺環境に対応した当作業所における規則（汚濁水流失防止・油脂類流失防止）と作業手順を徹底させ作業に取り組みました。
当工事は、サロベツ湿原の上に設けた現道であり、不等沈下による交通障害の対策として路体盛土をEPSブロックに置換える改良工事です、冬期施工でありましたが、暖冬の影響もあり湿原全体の水位が上昇し、計画工程に悪影響を及ぼしました。そんな試行錯誤を模索していた時、「環境省北海道地方環境事務所稚内自然環境事務所」の担当官に仮排水路での施工提案を相談した所、原形復旧を条件に快諾を戴き幸い工期内で終了する事ができました。
御協力を戴き心から感謝を致します。
又、安全面として、本線施工中は24時間片側交互通行の規制がありましたが､暴風雪による交通障害で交通事故が懸念されたため、天気予報で暴風雪の予報された場合に片側交互通行の規制を解除し、交通障害の予防に配慮して無事故無災害で完了することができました。