建設グラフインターネットダイジェスト
〈建設グラフ2017年2月号〉
年頭所感
交通網整備による物流効率化の推進や
主要施設の防災・減災対策で地域の安全を強化
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国土交通省 北海道開発局 留萌開発建設部 部長 山崎 真一 |
新年、あけましておめでとうございます。また、日頃から北海道開発事業の推進にご理解とご協力をいただき、厚く御礼申し上げます。
昨年を振り返りますと、熊本地震を始めとする大地震や台風、集中的な大雨による災害が各地で発生し、尊い人命が失われ、市民生活や生産・物流活動に多大な影響が生じた年でありました。とりわけ、北海道では相次ぐ台風の上陸・接近により記録的な大雨となり、河川の堤防決壊・溢水による住宅・農地への浸水被害、土砂災害、道路の橋梁損傷や法面崩壊など道内に大きな爪痕を残しました。この災害に対し、当部からも河川、道路災害の災害対策支援としてテックフォースを南富良野町ほか2市2町1村に、農地被害の調査・技術支援を行う水土里(みどり)災害派遣隊も南富良野町に派遣しました。
当部といたしましては、今後も社会基盤の整備と管理を担当する国土交通省北海道開発局の地方機関として、直轄施設の災害復旧にとどまらず、災害時における自治体等へのリエゾンやテックフォース、水土里災害派遣隊の派遣、災害対策用機械の出動による復旧支援等積極的に取り組んで参ります。
また、昨年は「世界の北海道」をキャッチフレーズとする新たな北海道総合開発計画がスタートしました。北海道の強みである「食」や「観光」を戦略的産業として育成することとし、さらに、これらを担う地方部を「生産空間」と位置づけ、生活機能の維持や人口対流の促進などに取り組むこととしています。
本計画にはさらに主要施策として「強靱で持続可能な国土の形成」があり、これを踏まえた防災・減災や老朽化対策等に鋭意取り組んで参ります。
具体的な事業としましては、物流の効率化や安全性の確保に大きく貢献する深川留萌自動車道の平成31年度の全線開通を目指して、残区間である留萌大和田IC〜留萌IC(仮称)間の工事を着実に進めます。また、国道239号霧立防災事業や国道40号の天塩防災事業、橋梁の老朽化や耐震性向上なども鋭意取り組みます。さらに、冬期の除排雪体制に係る関係機関との連携など、道路交通の適切な維持管理に努めます。
治水事業では、留萌川、天塩川下流において水防災意識型社会の再構築に向け、北海道、関係市町村、気象台と共に、大規模氾濫に備えた減災対策の取り組み方針を策定したところであり、今後、ハード対策に加え、各機関と連携したソフト対策に取り組みます。
港湾整備では、重要港湾留萌港をはじめ増毛港や羽幌港、天塩港において港内静穏度対策や航路埋没対策を促進し、水産基盤整備では、苫前漁港や遠別漁港において水産物の安定供給や衛生管理に向けた整備を促進します。
農業農村整備では、天塩町産士地区において泥炭地盤の沈下により機能低下を生じた排水路や農用地の機能回復に向けた整備を促進し、ほか更岸地区では老朽化した排水路の更新のための整備を引き続き促進します。
新しい年が皆様にとって希望に満ちた年でありますよう、皆様のご健勝とご多幸を心より祈念申し上げ、年頭のご挨拶といたします。
山崎 真一 やまざき・しんいち |
昭和34年9月17日生 北海道生 |
昭和61年3月 東京工業大学大学院 修士課程 修了 |
国家公務員T種(土木) |
昭和61年4月 北海道開発庁採用 |
平成7年4月 北海道開発局 留萌開発建設部 治水課長 |
平成9年4月 建設省 河川局 開発課長補佐 |
平成11年4月 開発土木研究所 環境水工部 河川研究室副室長 |
平成17年8月 北海道開発局 石狩川開発建設部 千歳川河川事務所長 |
平成19年4月 中部地方整備局 豊橋河川事務所長 |
平成21年9月 北海道開発局 開発監理部 情報管理室長 |
平成24年7月 同 開発監理部 開発環境課長 |
平成26年4月 同 建設部 河川工事課長 |
平成28年6月 北海道開発局 留萌開発建設部長 |
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