年頭所感十勝の強み「食」や景観を戦略的産業に見据え十勝と
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国土交通省 北海道開発局 帯広開発建設部 部長 河畑 俊明 |
新年明けましておめでとうございます。平成二十九年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
昨年を振り返りますと、四月の熊本地震、十月の鳥取県中部地震など、全国的にも災害の印象が残る一年でした。十勝管内においては、春先からの不順な天候に続き、八月には4つの台風の影響を受けました。特に台風第10号の被害では、河川の増水、国道の通行止めなど、近年では例を見ない大きな被害が生じました。被害に遭われた方にはお見舞い申し上げるとともに、不幸にも被災で犠牲になった方々のご冥福をお祈り申し上げます。また、復旧作業にあたられた建設業、関係機関の皆様のご尽力に感謝申し上げます。
北海道開発局では昨年三月に新たな北海道総合開発計画が策定されたことから、そのキャッチフレーズである「世界の北海道」を目指して事業に邁進しております。十勝の強みである「食」や、北海道らしい景観として人気の高い「観光」を戦略的産業と位置づけ、それぞれの「生産空間」を支えていきます。その根幹にあるのは、安心して生活していくことのできる強靱で持続可能な北海道の形成です。大雨によって被害を受けた河川・道路・農業の各インフラの復旧には引き続き全力を挙げて取り組んで参ります。
復旧事業の中で特に注目度の高い国道274号日勝峠については、詳細調査、復旧工法の検討が進捗したこと及び全線に渡る工事用車両等の進入路の確保が完了しました。このことにより、概略の工程計画の立案が可能となったことから先般お伝えしたとおり今年秋の開通を目標としています。日勝峠は十勝と道央を結ぶ幹線であり、物流及び観光ルートの要として重要度の高いインフラであることを認識し、復旧には慎重かつ着実に取り組んで参ります。
今後の事業展開といたしましては、北海道横断自動車道小利別〜訓子府IC間が平成二十九年度開通予定となっています。同区間は十勝とオホーツクをつなぐ幹線であり、交流人口の増大のほか、医療の緊急搬送など生活の利便性の向上が期待されています。
また、この度の台風被害をふまえ、各事業ともに防災・減災のための地域づくりを行っていきます。治水事業としては、堤防整備、河道掘削のほか流木除去などのハード対策を実施します。農業事業では、農業水利施設の安全対策及び農地の湛水被害防止対策の実施を加速させていきます。十勝港では荷役作業の効率化と安全性、大津漁港では災害に強い港づくりを目的として整備を行っていきます。さらには、社会資本の老朽化対策・長寿命化など国土の強靱化に資する事業を継続して行います。
最後になりますが、新しい年が皆様にとって良い年となりますように心から祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。
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