建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2017年2月号〉

年頭所感

災害に強い社会資本の整備強化や胆振・日高の優れた
資源・特性を活かし「生産空間」を維持・発展

国土交通省 北海道開発局 室蘭開発建設部
部長 宮島 滋近


 明けましておめでとうございます。皆様におかれましては、健やかに新年をお迎えのことと心からお慶び申し上げます。
 室蘭開発建設部が実施している事業の推進につきましては、日頃から特段のご支援とご協力を賜り、厚く御礼を申し上げます。本年も地域の皆さんの安全・安心を念頭に、地域が元気になる仕事を果たせるよう、職員一丸で取り組んで参ります。昨年同様のご支援をお願いいたします。
 昨年を振り返りますと、8月中旬以降、相次いで北海道に来襲した台風により記録的な大雨となり、道内各地で河川の氾濫、橋梁被災、土砂崩れが発生しました。当部管内でも8月30日からの台風10号の影響により、国道274号が多数損傷を受け、今なお通行止めとなっています。当部としましては、平成29年の秋を目標として、1日でも早く通行止めが解除できるよう、全力を尽くしているところです。
 激甚化・多様化する自然災害を目の当たりにして、改めて災害に強い社会資本整備の必要性や建設業の果たす役割の重要性を強く認識したところです。
 本年も職員の防災能力を向上し、災害時に自治体を支援するリエゾンやテックフォース派遣等、災害に対する備えに万全を尽くすとともに自治体や関係機関との連携強化、地域住民の防災意識を高める取組を進めて参ります。
 事業では、安全・安心な国土づくりを進めるため、鵡川・沙流川で平取ダム建設をはじめとした治水対策を推進するとともに、樽前山の噴火に備えた火山泥流対策、胆振海岸の侵食対策、越波防止対策を実施していきます。また、国道453号蟠渓道路等の防災事業、国道276号緑跨線橋架替などの耐震対策や橋梁等の老朽化対策に取り組んでいきます。
 さらには、農水産物の生産基盤などの整備等に係る事業として、勇払東部(二期)地区、フモンケ地区及び新鵡川地区において、用排水施設等の整備を、水産業では、水産物の衛生管理や安定供給のため、追直漁港、登別漁港などにおいて屋根付き岸壁等の整備を実施していきます。
 そして、物流機能の向上、高速ネットワークの強化を図るため、高規格幹線道路日高自動車道を整備し、苫小牧港と室蘭港においては、老朽化した岸壁の機能回復や荷役の安全性向上を図るため、岸壁改良を実施していきます。
 管内は、道内有数の製造業、多彩な農水産資源、豊かな自然を活かした観光資源など、個性と可能性にあふれた地域です。世界ジオパーク認定を受けている有珠山とアポイ岳、民族共生象徴空間の整備、室蘭港〜宮古港のフェリー航路開設による連携、水素エネルギーの活用などの取組も進んでいます。当部としましても、新たな北海道総合開発計画に基づき、「食」や「観光」といった胆振・日高の優れた資源・特性を活用しながら、それらを生み出す「生産空間」を維持・発展させ、地域の未来に貢献するよう、各関係機関との連携を強めながら進めて参りたいと考えています。
 本年が皆様にとって輝かしい未来につながる素晴らしい年でありますことをお祈り申し上げ、新年のご挨拶といたします。

宮島 滋近 みやじま・しげちか
昭和36年11月10日生 東京都出身
昭和59年3月 東京農工大学 農学部 卒
昭和59年4月 北海道開発庁入庁
平成22年4月 国土交通省北海道開発局札幌開発建設部次長
平成23年4月 同 北海道局水政課企画官
平成24年4月 同 北海道開発局事業振興部都市住宅課長
平成27年7月 同 北海道開発局室蘭開発建設部長

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