建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2017年2月号〉

年頭所感

新幹線効果の持続に向け地域経済界・金融機関・大学等研究機関や
地域住民と連携効果的な事業推進

国土交通省 北海道開発局 函館開発建設部
部長 菊池 一雄


 新年明けましておめでとうございます。日頃から函館開発建設部の施策推進に特段のご理解とご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。
 昨年を振り返りますと、管内においての6月に発生した震度6弱の内浦湾地震、8月下旬の台風による倒木等被害のほか、管外での4月の熊本地震、全道を襲った8月下旬の台風により各地に大きな被害が発生したため、当部からもTEC−FORCE(緊急災害対策派遣隊)を派遣する等、防災面での地方公共団体の応援・支援を積極的に行い、災害を踏まえた体制のあり方を検証しているところです。
 明るい話題としては、3月に北海道新幹線が開業し、道南地域の観光客の増加などの経済効果が現れ、景気も回復傾向にあります。管内の道の駅では、1月に「みそぎの郷きこない」、3月に「しかべ間歇泉公園」がオープンし、多くの来場者で賑わっているところです。
 当部に係る事業では、函館港の大型クルーズ船に対応するための若松地区の係留施設の整備、交通安全対策として道内初のラウンドアバウト(環状交差点)となる国道228号上ノ国町大留交差点改良事業、国道5号七飯町赤松街道と国道279号函館市十字街の電線共同溝事業を着手しました。
 なお、当部の各事業について、日本一の清流、後志利別川では、水災害のない安全・安心で活力ある魅力的な地域づくりを目指し洪水対策を進めます。また、大規模な氾濫の発生に備え、国・北海道・町・警察・消防からなる「後志利別川大規模氾濫に関する減災対策協議会」では、減災のためのハード対策とソフト対策を一体的、計画的に「水防災意識社会」の再構築に取り組み減災対策を進めます。
 道路関係では、北海道縦貫自動車道、函館・江差自動車道、函館新外環状道路など広域交通ネットワークを整備し、広域周遊型観光の促進、豊かな農水産品の物流効率化、アクセス向上を図るとともに、橋梁・トンネル等の老朽化対策の本格実施や事故データ等に基づく交通安全対策、道路防災の向上や安全快適な通行空間を目指した無電柱化を推進して参ります。
 港湾関係では、3月に完了予定の函館港の幹線臨港道路、北ふ頭地区の水深6.5m耐震強化岸壁など、管内6港において物流機能の強化、地域経済の活性化、安全・安心な暮らしを支える港湾整備を進めます。空港関係では、函館空港の老朽化した滑走路の改良や航空機がオーバーランまたはアンダーシュートを起した場合の損傷を軽減させるため滑走路端安全区域(RESA)など、国内外の航空ネットワーク機能強化に向けた更新・改良を進めます。
 農業関係では、老朽化した用水施設の改修により、維持管理の軽減等による農業経営の安定を図ってまいりました大野平野地区が3月で完了を迎えます。また、今金南地区及び今金北地区では、区画整理等を行い、生産性の向上や優良農地の確保を行います。
 水産関係では、管内3・4種の7漁港において国産水産物の衛生管理や安定供給のための基盤強化や災害に強い漁業地域づくりのための漁港施設の防災・減災対策を進めます。
 函館開発建設部では、北海道新幹線開業効果を持続するよう昨年3月に策定された新たな北海道総合開発計画を踏まえ、地域経済界、金融機関、大学等研究機関、地域住民等と連携・協働し、効果的な事業推進と低廉で良質な社会資本整備を進めていきます。
 今後とも地域の皆様のご理解とご協力をいただきながら、安全で安心な暮らしと地域の活性化に向けて、職員一丸となり事業を推進して参ります。
 最後に、皆様の益々のご健勝とご多幸を心からご祈念申し上げ、年頭のご挨拶といたします。

菊池 一雄 きくち・かずお
昭和37年2月20日生
昭和59年3月 神戸大学農学部農業工学科卒業
昭和59年4月 北海道開発庁(網走開発建設部)採用
平成16年4月 北海道開発局農業水産部農業調査課事業調査官
平成17年4月 北海道開発局農業水産部農業設計課農業企画官
平成18年4月 北海道開発局稚内開発建設部次長
平成19年7月 北海道開発局釧路開発建設部次長
平成21年4月 北海道開発局農業水産部農業整備課事業調整官
平成22年4月 北海道開発局開発監理部開発調査官
平成24年4月 北海道開発局札幌開発建設部次長
平成25年4月 北海道開発局農業水産部農業整備課長
平成27年4月 北海道開発局農業水産部農業調査課長
平成28年6月 北海道開発局函館開発建設部長

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