建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2017年2月号〉

年頭所感

多発する自然災害に的確な対応で安全・安心な暮らしの確保と地域の健全な発展を支える

国土交通省 北海道開発局 札幌開発建設部
部長 難波江 完三


 新年、明けましておめでとうございます。皆様には健やかな新春をお迎えのこととお慶び申し上げますとともに、日頃から当部の事業の推進につきまして特段のご支援とご協力を賜り厚くお礼申し上げます。
 昨年を振り返りますと、4月に発生した熊本地震では、災害対応支援のため当部からも現地に職員を派遣しました。また、北海道内でも8月からの豪雨や台風の上陸により、深川市納内地区や南富良野町幾寅地区を含め、各地に甚大な被害が生じ、当部では排水作業や復旧工事をはじめ、道内被災地へテックフォースを派遣するなど対応を行ったところです。
 被災された方々には心よりお見舞申し上げますとともに、迅速かつ懸命な災害対応にあたられた関係機関や住民の皆様に心からの敬意と感謝を申し上げます。
 これらの災害を通じ、防災・減災、緊急時の的確な対応が如何に重要であるかを再認識した年でありましたが、今後も管内だけでなく広域的な支援が求められることと思われ、引き続き関係者の皆様のご協力をお願いするところです。
 札幌開発建設部は、石狩、空知地方の全域及び上川地方の一部を含む地域を管轄しています。管内の食や観光等の競争力・付加価値向上を図るとともに、札幌都市圏に集積した高次機能を活かして北海道全体を牽引する「生産性革命」を成し遂げるため、社会資本のストック効果を最大限発揮できるように河川、道路、空港、公園、農業の各事業を推進していきます。
 河川事業では、台風で被災した空知川上流等の災害復旧に全力を挙げて取り組むとともに、堤防整備・河道掘削などの「洪水氾濫を未然に防ぐ対策」や堤防構造の工夫による「危機管理型ハード対策」、洪水常襲地帯である千歳川流域の遊水地群の整備等を推進します。ダム事業においては、幾春別川総合開発事業の新桂沢ダム本体工事及び付替道路工事等を推進します。また、想定最大規模降雨による洪水浸水想定区域図の作成、南富良野町幾寅地区における水位周知河川等の指定や流域タイムラインの作成など、減災を図るソフト対策を関係機関と連携し推進します。
 道路事業では、地方部の生産空間・市街地・圏域中心都市等とのアクセス強化等を図るため、道央圏連絡道路、国道230号定山渓拡幅及び国道275号江別北道路等の整備を推進します。また、安全で円滑な冬期道路交通の確保を図るため、気象状況や交通状況等を踏まえた、適切なタイミングでの除排雪の実施や、メンテナンスサイクルによる橋梁等の老朽化対策、電線共同溝整備による無電柱化の推進、「事故ゼロプラン(事故危険区間重点解消作戦)」や「通学路緊急合同点検」に基づいた交通安全対策を推進します。
 空港事業では、新千歳空港において、国際線旅客の急激な増加に対応するため、誘導路新設とエプロン拡張等により空港の処理能力を向上し、訪日外国人旅行者受入機能の強化を図る国際線ターミナル地域再編事業を進めます。また、北海道内外の航空ネットワークの維持を図るための空港施設の老朽化対策や地震発生時の緊急輸送拠点機能の確保と航空ネットワークの維持及び道内の経済活動の継続性を確保する耐震対策を推進します。
 公園事業では、国営滝野すずらん丘陵公園において近年増加している外国人観光客を含めたより多くの方々に、満足していただけるよう、適切な運営・維持管理を行っていきます。また、白老町に整備される「民族共生象徴空間」のうち、国立民族共生公園の整備を推進します。
 農業事業では、北海道が我が国の食料供給基地としての役割を担っていくため、ほ場の排水改良や大区画化・担い手への農地集積による生産性向上を通じた地域の振興を図る国営農地再編整備事業等を妹背牛地区外4地区について継続した整備を進めます。また、農業水利施設の計画的な更新・整備により用排水機能を確保するため、国営かんがい排水事業等を北海地区外5地区について継続した整備を進め、樺戸二期地区については地区完了します。さらに、土地改良施設の長寿命化に向け、国営造成水利施設保全対策指導事業により各種施設の機能診断を引続き実施します。
 当部といたしましては、限られた予算の中、各種事業を効率的かつ効果的に推進するとともに各方面の方々からのご意見を大切にしながら、今後とも災害に強い安全・安心な暮らしの確保と地域の健全な発展を支えていくために一層の努力をしていきたいと考えておりますので、引き続き皆様のご支援、ご協力をお願いいたします。
 結びに、本年が皆様にとりまして素晴らしい年になることをご祈念いたしまして、年頭のご挨拶といたします。


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