建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2017年1月号〉

一般国道5号 小樽市 忍路トンネル工事

現場代理人の目「建設現場の最前線から」北海道開発局 小樽開発建設部

 佐藤工業・山田組特定建設工事共同企業体
 国道5号小樽市忍路トンネル工事作業所 現場代理人
 小出 啓剛


図-1 工事位置図

1.はじめに

 主要幹線道路である国道5号の小樽市忍路から小樽市桃内の区間は、落石・岩石崩壊・雪崩などの災害危険個所が15箇所存在し、過去15年間(平成10年〜平成24年)に17回の災害が発生しています。平成19年5月16日には、斜面崩壊(規模500m3)が発生し、約30時間の通行止めとなりました(写真-1)。
 一般国道5号小樽市忍路トンネル工事は、海沿い路線の落石崩壊等による危険箇所の解消を図り、道路の安全な通行の確保を目的とした延長3.5kmの防災対策事業のうち、山側に迂回するルートの一部として新規トンネルを建設する工事です(図-1)。

2.工事概要

3.地形・地質概要

 忍路トンネルは、小樽市忍路〜桃内地区の海岸沿いから海岸近傍の丘陵〜低山地内に位置します。
 地質は、起点側(余市側)においては、忍路層と呼ばれる安山岩角礫を多く含むハイアロクラスタイト(水冷破砕岩)が分布しています。終点側(小樽側)は、塩谷層と呼ばれる軽石凝灰岩と凝灰質砂岩が分布しています。

写真-1 平成19年5月発生した斜面崩壊(急崖斜面が連続する国道5号線)

4.おわりに

 本工事は、平成25年3月30日に坑口付けを開始し、平成28年3月12日に無事貫通式を迎えることができました。平成28年12月初旬には、覆工コンクリートも終了し、終点側(小樽市側)巻出工(明り巻トンネル)の施工を行っているところであり、竣工に向けて、無事故・無災害で品質の高いトンネルを構築すべく所員一丸となって取り組んでいく所存であります。
 最後に、発注者である北海道開発局小樽開発建設部の皆様をはじめ多くの関係各位のご指導・ご協力に深く感謝申し上げます。



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