建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2017年1月号〉

建設工事の魅力を発信

 青木あすなろ建設株式会社
 福島県警本部作業所 現場代理人
 岩谷 由記雄


 福島県警察本部庁舎整備工事は、SRC造7階建て(免震構造)の高層棟、RC造2階建て(耐震構造)の低層棟をEXP.Jにて、つないだ配置の建物となっています。平成27年10月13日より高層棟の施工に着手、現在高層棟3階床までの躯体工事を完了し、3階から6階の鉄骨工事を施工中で、平成29年2月からは低層棟の地下工事に着手する予定です。
 昨今、建設業界の重要な課題である担い手確保、女性が活躍できる職場作り、建設業のイメージアップなどに対して、当作業所で積極的に取り組んでいる事例についてご紹介します。
 まず、若年労働者の人材確保についての取り組みでは、建設業の魅力を伝え、建設業で働く意識を高めることを目的として平成28年9月から10月にかけて、県建設業協会主催の県内の建築科高校生現場見学会を3回実施し、合わせて97名の生徒が参加しました。現場見学に参加した生徒からは、「この仕事のやりがいはなんですか?」など建設業へ進む上での留意点や、「免震建物と耐震建物がつながっていても大丈夫ですか?」などの専門的な質問もあり、建設業に対しての真摯な姿勢が感じられ、建設業の社会的役割、そしてそこで働く魅力をしっかりと伝えていくことも大切な事であると再認識しました。
 次に、当作業所では、平成28年7月の全国安全週間を前に、労働災害防止の重要性の再認識と安全意識の向上を図るとともに、女性の視点から作業所内の安全状況や労働環境などを確認し、女性が活躍できる作業環境、女性が働きやすい建設現場を目指すことを目的とした「けんせつ小町パトロール」を実施しました。当社の女性技術者6名のほか発注者である県施設管理課の女性担当技師にも参加していただき、今までは指摘されなかった内容の改善点が出されました。現在、日本建設業連合会が、女性活躍、建設業のイメージアップの一環として「けんせつ小町工事チーム」の設置を後押ししています。当作業所もこの11月に作業所の女性技術者をリーダーとした、チーム名「けんせつ小町ふくぼうしさん」(ふくぼうしさんは福島県警女性マスコットキャラクター名を拝借)として申請、登録し、積極的に活動しているところです。
 また、現場での日々の安全施工サイクルに、全員で行う朝礼時のラジオ体操がありますが、当作業所では、その体操に、トップアスリートのトレーナーが企画監修した「けんせつ体幹体操」を隔日で実施しています。高齢者に多いつまずき、転倒事故の防止だけでなく、若者の関心を集め、作業所を明るくする、職人さんとのコミュニケーションを深めるなどの効果も上がってきています。この「けんせつ体幹体操」は、まず、社員が体幹体操DVDを見て憶え、はじめて職人さんの前で行ったときは朝からなんだろう?といった様子でしたが、徐々に浸透しています。
 最後に、当工事は、福島県が、県民の安全・安心を守る防犯・防災の新たな拠点として建設する県警本部の新庁舎です。県民の期待と関心の高さを日々感じており、その期待に応えるべく、今後も安全と品質をしっかり確保しながら工事を進めてまいります。



HOME