建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2017年1月号〉

【ZOOM UP】

県民を守る頼もしい庁舎

―― 県庁に足並みをそろえ格子を基調とした外観デザイン

福島県警察本部庁舎

格子を基調とした南外観


 福島県で福島県警察本部庁舎の建築が進められている。県民の安全・安心を支えるとともに、災害時における避難誘導や治安の確保等、警察活動の中枢となる機関であるため、これまで分散していた機能を一体的に配置し、危機管理対応や業務継続が可能な庁舎として設計されている。
 また、警察機関としての機密性と来庁者の利便性の調和を実現するとともに、ユニバーサルデザインと周辺環境への配慮による、人と環境にやさしい庁舎を目指している。
 これらのコンセプトに基づき、外観デザインは、県庁敷地内の既存建物に加えて、敷地周辺の街並みとの調和を図るため、各面ごとに異なるデザインとしている。県庁と向き合う南面は、県庁舎の格子を基調としたデザインを継承し、街に面する北面は、既存建物とスケール感が合うよう120mの壁面を細分化している。
 高層棟の東西面は環境負荷を考慮した縦ルーバーを基調とし、さらに低層棟の東西面にも同じデザインを継承することで、建物全体の一体感を持たせている。
 配置計画では、敷地中央に高層棟を東西方向に配置することで国道側、知事公館側の既存環境に対して圧迫感を抑えるよう工夫されている。
 低層棟は、車両交通の多い国道と敷地の緩衝帯とするため、敷地東側の国道沿いに配置することで、敷地南側に落ち着いた環境と広くまとまった駐車場を確保した。屋外駐車場は、建物から管理しやすいよう死角のない位置に配した。

 平面計画では、1階に入室管理システムを設置し、来庁者対応ゾーンとセキュリティゾーンを明確に分離した。迅速な出動が求められる危機管理対応の関係諸室は、1フロアーに集約している。  基準階執務室は、部署レイアウトの自由度を確保するため、全室南向きのワンルーム型とし、建物の両端に階段とエレベーターを併せて配置。さらに中央部にも階段を計画し、上下階の連携を高めている。  工事は、平成27年度に着工しており、平成30年度供用を目指して進められている。

壁面を細分化した北外観


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