建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2017年1月号〉

警視庁東大和庁舎(仮称)(27)新築工事

 フジタ・東山建設共同企業体
 警視庁東大和庁舎新築工事作業所 所長
 東 秀樹


 当工事は、西武拝島線の東大和市駅と玉川上水駅の中間に位置し、玉川上水駅より徒歩10分程度の場所にあり、南北に約210m 東西約45m 敷地面積9,327.7uの中に、RC造の管理事務棟、犬舎棟(犬の宿舎)、排便所棟(犬のトイレ)、S造の模擬棟(訓練用建屋)の4棟及び外構工事一式(含むドックラン用グランド)を新築する工事です。 周囲は警視庁の官舎があるだけで騒音などでクレームを受けることは少なく、大変工事を施工しやすい環境です。
 現在、多摩市の聖蹟桜ヶ丘に当工事の完成建物と同様の施設がありますが、規模が小さく、昨今は老朽化が目立ってきたこともあり、東京都により今回の敷地に新しい建物の建設が計画されました。また、当工事の完成建物は、警察犬の訓練施設として国内有数の施設となるため、警察関係者より大変注目されております。
 昨年の8月に本格的に工事着手をしましたが、現状地盤の鋤取り及び残土処分(約8,000m3)にかなりの時間を費やしたことから、本体工事の工程に対する影響が懸念されました。そのため工事計画を精査し地盤改良工事を一部ラップさせることにより、本体基礎躯体工事の着手日を遅らせること無く、マスター工程通りに上棟させることが出来ました。また、建設業の労務者不足が懸念されていますが、早期に協力専門業者と契約することなどにより、早め早めの段取りを行い労務を確保することが出来、11月11日(ワン・ワン ワン・ワン)に無事、各棟内外装工事を完了しました。
 弊社は、建築工事のみの受注ですが、別途工事として空調設備、衛生設備、電気設備工事があり、これら別途工事業者は発注者及び設計担当者が別である為、作業所内で横のつながりを密にもつことで各社の担当者が情報をうまく共有ができて、出戻工事無く工事は進められました。
 当工事の建物の主な特徴として、外壁は一部タイル貼りを除いて、コンクリート打ち放し素地仕上げとなっています。このため地上躯体工事では、型枠の精度、パネル割り、密実なコンクリートの打設が重要であり、更に東京都建築工事標準仕様書を遵守しつつ、慎重に品質管理を行い施工に当たってまいりました。
 また、建物用途は警察犬訓練施設であるため、人+警察犬が使うことを常に念頭に置いて、納まりや仕上材料に関しては細心の注意を払いながら施工いたしました。犬の爪の引っ掛り、足の肉球に対しての配慮など、警察犬の習性を熟知されている警視庁の鑑識課の方にも協力いただき要求事項を形にすることに注力して、無事故無災害で高品質な建物をお引渡することができました。
 紙面をお借りして、今回の工事にご協力いただきました関係者の方々にお礼を申し上げます。



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