建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2017年1月号〉

ICT技術活用の取り組みについて

能登地域の安全・安心と活性化を担う「輪島道路」【2】
(国土交通省 北陸地方整備局 金沢河川国道事務所 )

 H27能越道 小泉道路その5工事
 南建設株式会社 現場代理人
 南  裕基


 弊社は、平成26年度末に全線開通した、能越道七尾氷見道路の七尾IC〜七尾大泊IC間で6件の工事において、発注者様の貴重なご助言、ご指導のもと情報化施工機械を使用し施工を行いました。特にH26発注工事「能越道 矢田道路その10工事」では、約60,000m3の路体盛土工の法面整形に、弊社では初めてマシンガイダンスのバックホウを使用し大きな作業効率の向上が図れました。
 また、平成26年度の七尾IC〜七尾城山IC間の工事では、各工事が盛土材を他工事から受け入れて使用する工事であったため、日々の盛土進捗の把握が能越道工事全体の重要なポイントとなっていました。弊社の「能越道 矢田道路その10工事」は、施工中の別工事と隣接していたため、複雑な路体盛土工の分割施工を行う必要があり、盛土量を把握するのに大変苦労しました。そのため、盛土量を把握することが今後の弊社の課題となりました。
 これに対応するため、弊社は平成27年9月にマシンガイダンス0.7m3バックホウとマシンコントロールの7t級ブルドーザーを1台づつ導入しました。
 このような中で、平成28年3月に受注した輪島道路の「H27能越道 小泉道路その5工事」において、前述のとおり発注者様からの情報化施工のご助言、ご指導、また使用実績より、国土交通省様が推進する「i-Construction(アイ−コンストラクション)」に対応すべく受注後、即時に「ITC技術を活用した工事」として試行的に実施することを決定しました。
 4月にはコマツ石川(金沢市)、コマツレンタル中部(名古屋市)と連携しドローンによる写真測量を行いました。ドローンで取得した測量データはコマツが構築したクラウドプラットフォーム「KomConnect(コムコネクト)」へ送信し3次元の現況地形図を作成しました。KomConnectでは3次元現況地形と3次元設計図面の差分から、実際の施工量が自動的に算出されます。
 6月中旬にはコマツのICT油圧ショベル「PC200i」を2台レンタルし、切土量、盛土量を把握するため、掘削箇所、盛土箇所に1台ずつ配置しました。
 切土部では、PC200iは通信衛星を活用した刃先情報と設計3次元データよりセミオートで制御され、丁張や施工状況の目視確認が省略できました。また施工量がKomConnectに送信され夜中にサーバーで集計され、翌日には進捗状況が把握できました。
 盛土部は狭溢な補強土壁部であったので、PC200iのセミオート制御で盛土材の敷均し作業を行いました。またPC200iの「KomEye(コムアイ)」(ステレオカメラ)で撮影した点群データをKomConnectに送り、盛土量を計測しました。
 10月下旬には、レーザースキャナーで当工事において出来形を計測しました。当工事では試行工事であるためTS出来形管理を採用しました。
 弊社では、この試行を踏まえ、同じ輪島道路の「H27・28 能越道 中道路その4工事」、「H28能越道 のと里山空港IC改良工事」において「ITC活用工事」として施工しております。
  8月末には当工事の使用実績よりPC200iを導入し「H27・28 能越道 中道路その4工事」に配置しました。
 今後も発注者様から頂いたご指導、ご助言を大切にし、施工実績をフィードバックし「ITC技術の全面的な活用」に率先して取り組み、「i-Construction」の促進に貢献していきたいと思います。



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