建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2016年12月号〉

全線開通に向け鋭意施工中

産業 暮らし 安全を支える道路整備[2]
(寄稿 近畿地方整備局 浪速国道事務所)

 第二阪和国道工事安全衛生協議会 会長
 川田建設株式会社 上孝子高架橋PC上部工事 監理技術者 堤竹 済

事業進捗状況(上孝子地区)

 第二阪和国道は、大阪と和歌山を結ぶ幹線道路であり、国道26号の慢性的な渋滞の解消や、地域の活性化を目的とした全長53kmの道路です。また岬町では、国道26号が現在唯一の幹線道路であるため、開通後は府県境の峠での異常気象通行規制時の代替ルートとして、信頼されるインフラとなります。昨年9 月12 日に平井ランプから大谷ランプまでの1.8kmが開通し、残る淡輪ランプから平井ランプまでの7.6kmについて事業が展開されています。
 第二阪和国道工事安全衛生協議会は、事業の安全確保や円滑な工程進捗のための工事間調整などを目的とし設立され活動しています。現在は発注者、および改良工事やトンネル、橋梁、設備などの28工事受注者で組織され、全線開通へ向け鋭意施工中です。
 協議会は月1回開催され、発注者からの連絡・指示事項の伝達や工程調整、パトロールなどを実施しています。パトロールは月毎に対象工事が選ばれ、現場の点検と結果の講評が行われ、より一層の安全管理体制充実を図っています。また工事安全活動事例の発表では、各社での安全推進への取り組みなどが紹介され、相互に安全意識を高めることができるよう工夫し活動しています。その他、所管される労働基準監督署を招き、事故の事例や傾向、具体的安全対策や法令等に関する講話を頂き、事故抑止力の向上に努めています。
事業進捗状況(淡輪地区)
 本事業は、国道及び南海電鉄と近接しているため、工事用出入口や工事用仮踏切の車両運行管理が、第三者災害防止と地元との融和のための最重要管理項目となります。事業進捗に伴う工事用道路の変更や規制、各工事のダンプトラック通行ルートや台数調整、交通誘導員配置などについての打合せは随時実施され、公衆災害防止と地域負担軽減へ配慮しています。
 また協議会では、地元とのコミュニケーションも積極的に行っています。岬高校が取り組でいる地域貢献活動「山海人プロジェクト」へ、清掃活動や花壇整備などを通して参加し地域と交流することで、事業への御理解を深めていただくよう取り組んでいます。学生を招いての工事現場見学会では、構造物の仕組みや施工方法の説明、工法の模擬実演、実際の道具を使用しての作業体験などを実施しました。建設業の魅力を伝えることで、次世代の担い手確保の一翼となることができればと思っています。
 これまで重大な事故もなく工事を進めることができたのは、地域の皆様の御理解と、発注者の御尽力、受注者間の相互協力のたまものと思っています。いま一度気持ちを引き締め、努力を怠らず、全線開通に向け一致団結していく所存です。

事業進捗状況(深日地区)



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