建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2016年11月号〉

札幌市東雁来雨水ポンプ場建設工事その2

 戸田・伊藤特定建設共同企業体
 現場代理人
伊藤 哲

1.概要

 東雁来雨水ポンプ場は、札幌市内の茨戸地区における浸水対策事業の目的で建設されるものです。ポンプ場の規模は沈砂池ポンプ場(鉄筋コンクリート造・地下3階、地上2階)であり、ポンプ場排水は豊平川(一級河川)へ放流されます。

2.建設工事の特徴

 周辺地域全体が軟弱地盤であり、地下30mまでの構造体はニューマチックケーソン工法が採用されており、刃口面積A=2,141uは北海道最大級の規模であることと、福祉施設が隣接しており騒音・振動対策を要求される事です。

3.工事全般について

 平成25年9月に受注し、平成26年より準備工事がスタートしました。平成26年5月にはケーソン刃口も設置され、躯体工事へ移行されました。
 コンクリートはV=27,000m3で8リフトで打設すると3,400m3/リフトとなり、分割打設となりますが、平均1,000m3/1回当りの打設量はポンプ場建設現場でも珍しく、苦労しました。
 ケーソン工事は平成26年11月から途中、昼夜作業も含めちょうど1年間で完工でしたが、潜函病も一人も出すことなく安堵しております。降雪時も継続して工事を止められませんので、ADM(仮設鋼製屋根)を設置し、冬場をしのぎました。
 北海道でもポンプ場建設でのケーソン工事は珍しく、視察や見学者は440名を超えましたが、対応も大変でしたが好評で良かったと思います。
 平成28年3月にその1工事が竣工し、4月よりその2工事を進めております。ポンプ場の躯体工事と仕上げ工事及び放流渠まで施工すると、我々の使命は完了となります。

4.モラル・安全について

 このポンプ場では、『オアシス運動』『ワンデーレスポンス』『あいさつも仕事の内』等の周知や掲示をして、声を出して表現することと課題や、問題点をいつまでも残さないというスタンスを貫いています。職員を含め全ての作業員が元気で明るい作業所環境を目指しており、職長会やフロアマスターのおかげで以前より増して風通しも良くなったと思います。
 その1工事では、日建連殿より平成27年度安全優秀賞と、北海道労働局より平成27年度局長表彰優秀賞を頂きましたが、弊社の安全衛生マネジメントシステムに則り活動してきた評価であり、作業所で携わった職員・全作業員への成果と受け止め感謝しております。その2工事も含め平成30年2月末へ向かい無事故・無災害を実践して行きます。



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