建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2016年10月号〉

【ZOOM UP】

美しい魅力ある街並み景観の形成目指して

―― 地域と密着した住居者に優しい「つくしヶ丘第2団地」市営住宅を建設

つくしヶ丘第2団地 市営住宅A棟新築工事

外観完成予想パース

設計主旨・基本方針

 網走市は、オホーツクの海、美しい川・湖、豊な緑、澄んだ空気を守り育てる環境意識の高い市民がいきいきと暮らせるまちを目指している。
 また、自然環境を生かした事業も活発で、冬の流氷原を「流氷砕石船・おーろら号」で進む観光は人気も高く、名勝地天都山展望台からは“世界遺産知床連山”を望むことができ、オホーツク流氷館では季節を問わず流氷体感が出来る施設で、多くの観光客や市民に親しまれている。
 一方、同市は、「安心して暮らせる住み心地のよいまち」や「地域を生かした循環型社会の構築」など地域住民とともに歩むまちづくりを推進している。
 網走市の市営住宅全体の管理戸数は、1,744戸となっている。
 現在、建替を進めているつくしヶ丘第2団地はJR網走駅から南東に約4kmに位置し、周辺は緑豊かな戸建て住宅団地や道営住宅、市営住宅団地が形成されています。また、大規模ショッピングセンターにも近く、利便性に富んだ地域です。
 つくしヶ丘第2団地は、昭和43年〜昭和47年に建設した団地で、平成13年〜平成14年に一部建替を行い、現在18棟170戸の市営住宅で形成されている。
 今回の建替は昭和47年に建設した16棟90戸の市営住宅が対象となり、入居者の高齢化、施設の老朽化が進み周辺環境への影響も大きいため、建替工事に着手しました。市営住宅の直接建設としては平成14年以降、13年ぶりの新築となり、入居者も待ち望んだ建替工事です。
 新しい団地は、隣接する道営住宅や市営住宅と同規模の5階建とし、また、恵まれた自然環境と立地条件を活かした外観デザイン、立地計画とすることで、周辺の風景に彩りを添え、アクセントを与えることで潤い豊かな魅力ある街並み景観の形成を目指している。
 団地敷地内の児童遊園は、周囲から見守りが可能な位置に配置し、入居者と地域住民が気軽に交流できる日当たり良好な心やすらぐスペースとした。

 住棟内部は「北海道ユニバーサルデザイン公営住宅整備指針」に基づき、各住戸内に手すりの設置、段差解消、玄関に靴履き用折りたたみ式イスを設置するなど、誰もが安心して暮らせるよう配慮している。
 共用部分には、住戸玄関前アルコーブを設け、車いすやベビーカーの出入りや開閉時の安全性に考慮した。
 また、各住戸物置は冬期間でも容易に利用できるよう屋内各階に配置した。
 新しいつくしヶ丘第2団地は、公営住宅が持つ機能性を十分考慮し、「やさしさ」「あたたかさ」「やすらぎ」が感じられる団地の実現を目指す。
 A棟は平成28年度に完成し、B棟は平成30年度の完成を予定している。


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