建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2016年9月号〉

【ZOOM UP】

市民への窓口業務充実や地域に密着した白石区複合新庁舎完成間近

―― 地下鉄直結の利便性と保育・子育支援センターなど設置

札幌市白石区複合庁舎新築事業

外観完成イメージ

施設概要

 札幌市が市民窓口業務充実や地域に密着した施設とし建設を進める「白石区複合庁舎」は9月30日竣工を迎えようとしている。
 施設建設地は地下鉄白石駅に直結し、環状通と南郷通の2本の幹線道に面した、交通利便性の高い場所にある。周辺は商業施設や医療施設のほか、学校やまちづくりセンターなど公共施設も多く分布している。また、2本の幹線道路は緑のネットワークに位置づけられ、広域的街路樹や中央分離帯の緑化が充実している。

配置計画

(1) 環状通に面して均質な執務空間が確保できる矩型の建物を配置する。
(2) 隣地民間施設との間に中庭を確保し、地域の憩空間を創出する。
(3) 施設の顔となる敷地北側は壁面を後退し空地を設ける。
(4) 白石区保育・子育て支援センター(ちあふる白石)の園庭は日当たりの良い敷地南側に配置する。
(5) 執務空間と中庭の間に採光や換気など環境装置として活用される吹抜空間を設け縦動線もそこに集約する。吹抜け空間及び面するスペースに区民協働スペースを設け、中庭、民間施設と一体的空間をつくりだす。

平面計画

(1) 南郷通と環状通り交差点にメインエントランスを設け、中庭に2か所、環状通に1か所のエントランスを設け、施設へのアプローチ利便性を高める。
(2) 地下鉄白石駅と地下2階で接続する。また、民間施設と一体的な空間の地下広場を設ける。
(3) 地下1階は駐輪場を主用途とし、環状通り側に2ケ所のアプローチを設ける。
(4) 市民利便性に配慮し、利用頻度の高い戸籍住民課を1階に配置する。
(5) ちあふる白石は接地性を優先し、1階に乳児、2階に幼児を配置する。
(6) 保健センターは検診部門を3階とし、待合ロビーを囲む諸室配置とした。4階は事務所および講堂を配置した。
(7) 区民センターは5階1フロアーを使用し、北側に500人収容の区民ホールを2層吹抜で配置する。
(8) ホールホワイエに面したラウンジスペースを設け、区民のたまり空間を設ける。
(9) 6階は絵本図書館と区民センター図書室を隣接配置し、相互の利便性を高める。

施設の特徴と機能

(1) 地域の産業であったレンガを効果的に用いて優しく表情豊かな立面をつくる。1階部分はガラスを多用し解放的なつくりとしている。
(2) 中庭に面した開口部は内外一体的な利用を考慮し、開放できる建具とした。また、吹抜面はガラスを多用し、太陽光を取り込んだ明るい空間とした。
(3) 地震時の防災拠点としての機能維持を考慮し、免震構造を採用した。また、地下1階の駐輪場部分を利用した柱頭免責構造し、非常用発電設備は最上階に設置した。

(4) 水害時の機能維持を考慮し、主要電気機械室を最上階に配置している。また、一部地盤レベルの低い位置に止水板を設ける。
(5) 中庭のランドスケープは民間施設と協調したつくりで、街区の一体感を演出している。


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