建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2016年8月号〉

下館河川事務所 工事安全対策協議会 伊讃支部の安全活動

 工事安全対策協議会伊讃支部 副支部長
 キムラ工業(株)H27大渡戸災害復旧工事 現場代理人 田村 勇樹

地域クリーン作戦への参加

1.はじめに

 平成27年9月の関東・東北豪雨で鬼怒川の堤防が決壊し、甚大な被害が発生しました。現在、大きな被害を受けた鬼怒川下流域(茨城県区間)では、鬼怒川緊急対策プロジェクトが実施されており、茨城県、常総市など沿川七市町と、国土交通省が主体となり、ハード・ソフト一体となった治水対策が展開されています。このうち、ハード対策として国交省は、河川激甚災害対策特別緊急事業等で堤防整備(かさ上げ・拡幅)や河道掘削を行うことになっています。
 伊讃支部安全協議会は、下館河川事務所が管理する鬼怒川約99.6qのうち、伊讃出張所管内(31.75q〜58.0q)で工事を行っている企業で構成しており、現在10社・11工事が会員となっています。施工業者の代表を、キムラ工業鰍ェ務めています。
 当協議会会員の多くは5月から実際の工事に着手しています。当社の工事は、漏水対策として、川表法尻に矢板の打設を行い、堤防強化のため、堤防の高さと厚みを大きくし連節ブロックを施工する工事です。現在、当現場を含む、漏水対策を行う工事では、鋼矢板打設が完了し、出水期後に行う盛土工事の準備をしているところです。また、特に緊急を要する溢水被害箇所の茨城県下妻市前河原地区では、盛土工事を施工しています。

2.地域住民との関わりを大切に

 工事を円滑に進めるにあたり配慮している点は、地域住民の方々への対応です。河川敷内に畑などの耕作地がある現場や付近に民家や幼稚園・グラウンドがある現場もあり、工事用車両の通行路確保と同時に耕作者の方や近隣住民及び施設利用者の方々の安全確保には、各現場共、最大限の留意を払っています。また、堤防の上を散策する人が多く、災害復旧工事という特性から、近隣の注目も集まり、工事を見学に訪れる方々も多くいます。この方々の安全にも留意する必要があります。
 工事内容の周知については、工事着手前に行った工事説明会の他、地域の区長さんを通じて全戸に「工事のお知らせ」の配布や回覧を行い、現場には、イラストで分かりやすくした工法説明の看板を設置し、工事を見学にこられた方には、一人ひとり、災害の発生メカニズムや、その対策工法の説明、工事の進捗などをご説明し情報発信を密に行っています。
 一般の方の工事・工法への理解を深めて頂くことにより、災害に対する不安を取り除くと共に、地域開催イベント等に積極的に参加し、少しでも地域住民の方との距離を縮められるように努めています。

協議会パトロール



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