建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2016年6月号〉

【ZOOM UP】

研究資料・多様な蔵書ストックで図書機能を備えた学修支援施設

―― 市民の生涯学習活動支援や地域連携の大学図書館目指す

北海道名寄市 名寄市立大学図書館建設事業

外観完成イメージ

建設経緯と整備趣旨

 名寄市が建設中の「名寄市立大学図書館」は、現在8万5冊の蔵書を図書室2ケ所に分離して設置され、4年制化に伴い、蔵書数も増加し既存の収納能力を超えており学修支援施設とは言い難い現状にある。
 このことから、新しい図書館は、知的活動が見える大学シンボルとなる施設をコンセプトに、大学としての研究資料や多様な蔵書をストックできる図書機能はもちろん地方都市の公立大学として地域住民の利用も促し、さまざまな交流が生まれる空間を提供するための施設としている。

1F オープングループワーク

施設特徴と機能

 1階は、学生の主体的な学びに対応したラーニングコモンズの充実を図るとともにグループ単位での学びを可能にするオープンワークエリアやグループ学習室、プレゼンテーションスペースによるアクティブな空間をつくり、300人規模の講堂と地域交流を主とするコミュニティケア教育研究センターを併設し、学生や教員、地域住民が図書館内の情報資源を活用して議論や学習できる環境を整える。
 2階には、図書館の受付カウンターを設け、開架図書スペース、ブラウジングスペース、閲覧スペースなどの開架エリアとする。
 3階は、開架と開架図書館閲覧スペースのほか、仕切りのあるカウンター席を配置し、静かな環境の中で個人学習や読書を行う事ができる空間とした。

施設整備と地域連携

 図書室は約14万冊を収蔵することから、利用者サービスの向上とセキュリティ環境を実現するため、ユニバーサルデザインを取り入れ、図書のIC管理や入退館システムの導入により、地域住民も足を運びやすい環境を整える。
 地域住民にも大学を有効活用していただきながら、一歩先を進んだケアの未来をこの地域で実現するため、市立図書館と相互協力を図りながら、市民の生涯学習活動を支援し、住民と学生がともに集い開かれた大学図書館となるよう平成29年4月開設に向けて事業を進めている。

1F オープングループワーク


HOME