建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2016年6月号〉

【ZOOM UP】

北海道の地域医療に貢献

―― 札幌医科大学附属病院増築工事着工

札幌医科大学施設整備


 札幌医科大学附属病院は、患者に信頼、満足、安心していただける安全で質の高い医療を提供するとともに、高度な先端医療の研究・開発に取り組み、人間性豊かな医療人の育成に努め、北海道の地域医療に貢献することを目的としている。
 現病院については、昭和58年に建設されてから約30年が経過し、医療環境の専門化・高度化に伴う設備の充実を図ってきた結果、狭隘化が進行し、患者の療養環境や特定機能病院として高度で先進的な医療への対応が限界にきている状況にある。
 一方で、広範囲な医療圏を持つ北海道の地域医療への支援を求める声はますます大きくなってきており、今後も地域医療への貢献という役割を十分に果たしていかなければならない状況にある。
 北海道建設部は、「札幌医科大学施設整備構想(H24.3月)」を踏まえ、平成25年2月にとりまとめた「札幌医科大学附属病院増築整備計画」に基づき、診療機能の拡充や患者アメニティの向上など機能強化を図るため、札幌医科大学附属病院増築工事の施設整備を進めている。

【設計趣旨】

■人に優しく快適な病院

・わかりやすい廊下の構成、段差のない床や車椅子、オストメイトへの配慮など、誰もが迷わず安心して利用できるユニバーサルデザインに配慮。
・化学療法室やリハビリなど外来部門は中待や廊下待ではない待スペースの確保、居住性やプライバシーに配慮した病室など、療養環境の向上を目指す。

■医療サービスの向上に配慮した病院

・既存病院との高機能連携に配慮した部門の配置、管理部門の2階集約配置など、質の高い医療サービスの向上に配慮。
・患者とスタッフの動線分離、合理的な搬送動線の確保など、機能的で効率的な動線計画。

■環境を重視した病院

・自然採光など、自然エネルギーを活用した環境に優しい計画。
・空調インバータ制御、細分化した空調ゾーニング、LED照明、人感センサー、節水システム、井水利用、外断熱工法、Low-eガラス入りの高断熱気密サッシュの採用により、省エネルギーと資源の有効活用に配慮。

■医療の変化に追随できる病院

・将来の情報化対応、屋内の間仕切りの乾式化、床上配管可能なフリーアクセスフロアの導入(総合相談センター、病院課、看護部、技師室)など、医療の進化や設備更新に配慮。



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