建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2016年5月号〉

【ZOOM UP】

発寒団地の新築建替始まる5階建2棟60戸を建設

―― バリアフリー対策で居住環境整備や車イス専用住戸も配置

札幌市都市局 公営住宅発寒団地新築建替事業


 札幌市が建設を進めている市営住宅は、住宅政策に関する部門別計画である「札幌市住宅マスタープラン2011」において、管理戸数を、当面、現在の水準で維持することを基本としているほか、建替を行う際に、周辺の街並みとの調和に配慮することや、余剰地を確保し福祉政策やまちづくり政策と連動した取組みを進めることを目標としている。
 また、平成23年2月に策定した「札幌市市営住宅ストック総合活用計画」では、平成23〜32年の計画期間内の建替・改善予定事業を計画的かつ効率的に実施し、良質なストックの形成を図るとしている。
 この、「札幌市市営住宅ストック総合活用計画」において、市営住宅発寒団地は、昭和40年代に建設された1〜10号棟(1期目)・14〜19号棟(2期目)については既に耐用年限(70年)の過半が経過し、老朽化が進んでいることから建替とし、昭和50年代に建設された20〜25号棟については、当面は定期修繕を行い、将来的に建替を検討することと判断された。
 これらの計画を踏まえ、計画的かつ効率的な事業実施を目指し、今年度(平成27年度)は1号棟(30戸)と2号棟(30戸)の建設を行うことになった。

敷地状況

 発寒団地の建設地は、札幌市西区に位置し、都心より7.5qの距離にある。車で都心まで23分程度であり、札樽自動車道に隣接している。
 また、新川インターチェンジ(2.5q)、札幌西インターチェンジ(3.0q)まで車で9分程度、小樽方面、旭川方面どちらの方面にも便利な位置にある。
 さらにJR函館本線に接近しており、発寒駅まで徒歩16分、発寒中央駅には徒歩18分で札幌駅まで8分(3駅)と都心へのアクセスも良好な地区となっている。

施設計画

●住棟配置
 法的日陰を考慮し、5階建てとしている。また、隣棟間日影を考慮して、駐車場を挟み3時間の日照が確保できるように建物配置をした。
●バリアフリー対策
 敷地内通路及び住棟内共用部分に誘導ブロックを設置する。各住戸玄関ホールに折りたたみ式いすを設置する。共用部全てと住戸内各所に手すりを設置する。共用部、各住戸玄関部の床は滑りにくい仕上げとする。
●外断熱工法の採用
 環境負荷低減や建物の耐久性の向上を図る。外断熱仕様として、妻面は乾式外断熱工法。バルコニー面は温式外断熱工法。屋上は外断熱露出工法を採用する。
●給水施設・設備など
 給水施設は直結直圧方式とし、ガスセントラル給湯暖房方式を採用した。また、機械室レスエレベーター(9人用)を設置する。



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