建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2016年4月号〉

【ZOOM UP】

「東京大学キャンパス計画大綱」に基づき整備を促進

―― 歴史的環境の継承と世界最高水準の教育研究を展開

特集 東大キャンパス整備の現場から

現在工事中の建物(本郷キャンパス)

 東京大学は、教育・研究に係る構想を、キャンパスという有限の空間の中で総合的かつ戦略的に実現させるための基本理念および指針を定めた「東京大学キャンパス計画大綱」に基づき、再整備を進めている。
 大綱では、教育・研究環境の改善・向上、歴史的景観との調和、災害への備え、構成員の福利と快適な環境の確保、周辺地域との協調と連携に留意しつつ、多様な人と学術が相互に交流し、新たな科学・技術が発展する場であるキャンパスのあり方を見据え、全体の総合性・統合性を保ちつつ計画し、その実現を図るものとしている。
 キャンパスは、学問の府としての教育・研究の理念と精神を養う土壌であり、大学の魅力と独自性をもっとも直截に表現し、構成員および第三者に伝える媒体である。
 そこで建築群、道、広場、緑地等からなるキャンパス空間は、すべての学生・教職員にその価値が等しく開かれるとともに、その土壌として十分にふさわしい質を備えるよう計画された。
 保有するそれらの施設・敷地等は、現在それを利用する各組織が固定的に専有する権利を保持するのではなく、科学・技術の発展および社会情勢の変化に即応しつつ、社会から付与された資産を有効かつ効率的に活用する視点から、利用のあり方を柔軟に変更・再編することとしている。
 そのため、施設・敷地等の更新および用途変更のための仕組みと、それに要する十分な敷地を確保し、教育・研究環境の変化と新規の需要に備える。
 キャンパスは本郷・駒場・柏の3極を中核とした構成を基軸に、そこに連なる白金台・目白台を含む多種・多様な施設・敷地等によって総合的に構成される。
 整備にあたっては、大綱に銘記された理念と、それに基づく要綱等の規定を十分に尊重し、キャンパス計画の全体と整合するよう歴史的環境の継承と世界最高水準の教育研究を展開できる基盤の整備を推進して行く。
 この方針に基づき、現在は総合研究棟(理学系)、総合研究棟(文系総合)のほか、(仮)アカデミックコモンズ、医学部附属病院病棟(II期)新営工事なども進んでいる。



主要共同利用施設の配置
部局の再配置
全体配置計画

総合研究棟(理学系)

 現在は既存施設の解体中で、施工は(株)鴻池組を主体として建築が行われる。



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