建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2016年3月号〉

【ZOOM UP】

芦別地区の防災のシンボルとなる消防庁舎

―― 消防力の充実・強化と環境にやさしい消防庁舎

滝川地区広域消防事務組合 芦別消防署消防総合庁舎建設工事


 芦別市街から国道38号線バイパスを通り、富良野方面へ進むと、南面ファサードに北斗七星とカシオペヤ座の配置で窓が設けられた施設が見えてくる。
 今回、新たに建設されている芦別消防署消防総合庁舎である。この窓配置は芦別市のキャッチコピーである「星の降る里・芦別」をモチーフとして、芦別の美しい自然と地域住民の安心・安全を守り続ける防災のシンボルとなる施設をイメージしている。
 新庁舎は芦別地区の消防・救急活動の拠点として機能する施設とするため、耐震強度を一般建物の1.5倍確保し、非常用発電機・耐震性貯水槽を整備することによって、災害時でも消防・救急機能が停止せず、迅速な活動が可能な災害に強い施設としている。
 建物配置は庁舎を活用して、実践的な訓練が実施できるように、庁舎の周りに十分な訓練・演習スペースを確保し、多種多様な救助訓練が可能な訓練塔を併設することで、複雑多様化する災害等に対応できるよう、消防職員の技術の向上が図れる施設としている。
 施設計画は建物の中央に通信指令室や、出動準備室などの出動関連室を集約し、「ファイヤーストリート」と名付けたコンパクトな動線で事務室、仮眠室をつなぐことで迅速な出動動線を実現している。
 また、仮眠室は自然採光・自然通風を確保した個室とすることで、24時間拘束勤務職員のストレスを少しでも軽減できる環境としている。
 このほか、太陽光発電やヒートクールチューブによる換気などの自然エネルギー利用、外断熱工法による高断熱化、断熱・採光性の高いスタッキングドアや東面窓の熱線反射ガラスの採用による熱負荷低減、省エネルギー型照明を導入するなど、快適性と省エネルギーを実現する環境にやさしい施設としている。



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