建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2016年2月号〉

年頭所感

国境・離島地域としての宗谷地方の振興・発展
に資する社会資本整備を推進する

国土交通省 北海道開発局 稚内開発建設部
部長 小松 正明

 皆様、明けましておめでとうございます。謹んで新年のお慶びを申し上げます。
 また、稚内開発建設部が実施する、道路、港湾、空港、農業、水産基盤の各事業について、特段のご理解ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
 宗谷地方は、日本の最北部に位置し、漁業、酪農による食料供給の重要な地域です。また、サハリン州と直線距離で43キロメートルと近距離に位置しており、国境及び交易上重要な位置にあるとともに、自然エネルギーのポテンシャルは非常に高く、ある試算では、北海道内の電気を全てまかなっても余剰があるほどの風力を有しているとも言われております。さらに、景観に優れ、自然豊かな離島として利尻・礼文を擁しており、インバウンド観光による経済波及効果も大いに期待できるところです。
 現在、国土交通省では、北海道開発をめぐる潮流の急激な変化を踏まえ、新たな北海道総合開発計画、いわゆる「8期計画」が策定されています。
 今後北海道開発局では、人が輝く地域社会、世界に目を向けた産業、強靱で持続可能な国土を目標とし、主要施策を推進することとなりますが、特に稚内開発建設部としましては、当地域として重要となる「国境・離島地域の振興」について、サハリン州との交流・貿易の促進、豊かな再生可能エネルギー源の活用、観光の推進や産業の育成、安全・安心な定住条件の整備強化をキーワードに地域の発展に資する社会資本整備を進めて参ります。
 平成28年度の当部の社会資本整備に係る主な事業をご紹介いたしますと、道路整備事業では、安全安心な交通確保のため、防災対策、道路構造物の長寿命化対策、事故ゼロプランに基づく交通安全対策を実施します。
 港湾整備事業では、安全・安心な船舶の航行や荷役を確保するため防波堤や岸壁の老朽化対策などに取り組みます。
 稚内空港については、劣化対策を行うとともに、滑走路端安全区域の拡張整備を進め、航空機離発着時の安全性を高めます。
 農業基盤整備事業では、国営総合農地防災事業、国営農地再編整備事業の実施及び国営土地改良事業地区調査を行います。
 水産基盤整備事業では、船舶係留の安全と漁業活動の効率化や就労環境の改善を図る施設の整備に取り組みます。
 管内市町村や地元建設業への技術的支援としては、技術講習会や各種相談窓口の設置などに取り組みます。
 防災関係では、管内市町村へリエゾンを派遣するなど、地域のインフラや社会活動と住民生活を守る取り組みを行います。
 本年は、十二支の「さる申」年であります。申とは一説には草木が十分に伸びきり、実が成熟して結実に向かう時期を表しているといわれています。
 当地域の様々な取組が伸びやかにかつ立派な実として結実する豊かな一年となりますことと、皆様にとって健やかで明るい年となりますことを御祈念いたしまして、年頭の挨拶といたします。

小松 正明 こまつ・まさあき
昭和33年9月19日生 北海道出身
昭和57年3月  北海道大学農学部農学科 卒業
昭和57年4月1日  北海道開発庁(札幌開発建設部) 採用
平成17年4月1日  開発監理部開発調整課開発企画官
平成19年4月1日  独立行政法人都市再生機構東京都心支社
 都市再生企画部担当部長
平成22年4月1日  建設部地方整備課長
平成22年7月1日  釧路市副市長
平成25年4月1日  事業振興部機械課長
平成27年4月1日  稚内開発建設部長

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