建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2016年2月号〉

年頭所感

災害に強い安全・安心な暮らしの確保と地域の健全な発展を支える

国土交通省 北海道開発局 札幌開発建設部
部長 石田 悦一

 新年、明けましておめでとうございます。皆様には健やかな新春をお迎えのこととお慶び申し上げますとともに、日頃から当部の事業の推進につきまして特段のご支援とご協力を賜り厚くお礼申し上げます。
 昨年を振り返りますと、おかげさまで管内においては大きな災害はなく、比較的穏やかな一年ではなかったかと思います。しかし、道外におきましては、9月の関東東北豪雨により直轄管理区間の鬼怒川等が決壊し、甚大な被害をもたらしました。北海道開発局から宮城県にテックフォースを派遣し、札幌開発建設部からも災害対策車と職員延べ6人を派遣し、被災地から大変感謝されました。関係機関の迅速な対応に改めて感謝を申し上げますとともに、今後も道内ばかりでなく、道外を含めた広域的な支援が増えてくると思われますので、引き続きご協力をお願いします。
 札幌開発建設部は、石狩、空知地方の全域及び上川地方の一部を含む地域を管轄しています。管内の食や観光等の競争力・付加価値向上を図るとともに、札幌都市圏に集積した高次機能を活かして北海道全体を牽引するため、社会資本のストック効果を最大限発揮できるように河川、道路、空港、公園、農業の各事業を推進し、新たな政策課題である地方創成や国土強靱化などに対応していきます。
 河川事業では、安全・安心に暮らせる地域の実現を図るため、石狩川下流において河道掘削、堤防整備等の根幹的な河川整備を進めるとともに、洪水常襲地帯である千歳川流域の遊水地群の整備を促進します。ダム事業においては、幾春別川総合開発事業新桂沢ダムの基礎掘削工事及び付替道路工事等を進めます。また、地域の防災力の向上を目指した各種防災訓練支援などのソフト対策や河川管理施設の長寿命化など戦略的な維持管理を進めるとともに、かつての幌向原野の原風景をめざし自然再生の取り組みを地域の方々と連携し取り組んでいきます。
 道路事業では、物流機能・地域間の連携機能・圏域中心都市へのアクセス等の強化を図るため、道央圏連絡道路、江別北道路及び定山渓拡幅等の整備を推進します。また、安全・安心な道路機能を確保するため、メンテナンスサイクルによる道路ストックの老朽化対策、道路の防災・防雪・震災対策、電線共同溝整備による無電柱化、交通事故の危険性の高い区間や通学路の交通安全対策などを推進するとともに、道路利用者のニーズを踏まえたメリハリのある維持管理や道路情報の収集・提供の充実を図ります。
 空港事業では、新千歳空港の施設更新として機能を健全な状態に保持するため、老朽化が進むA滑走路改良を実施するほか、耐震強化として大規模地震災害時等にも災害復旧支援、航空ネットワークの維持などの役割を果たすため、重要施設の耐震化を計画的に実施していきます。また、機能向上として視界不良時の着陸条件を緩和し遅延や欠航の減少を図るため、B滑走路北側着陸用のILS(計器着陸装置)を設置するための用地造成を実施します。
 公園事業では、広域的なレクレーション需要に対応するため、当公園の基本テーマ「自然とのふれあい」を踏まえ、安全・安心を確保したうえで、近年増加している外国人観光客を含めたより多くの方々に、より満足していただけるよう、国営滝野すずらん丘陵公園の適切な運営・維持管理を行っていきます。
 農業事業では、北海道が我が国の食料供給基地としての役割を担っていくため、ほ場の排水改良や大区画化・担い手への農地集積による生産性向上を通じた地域の振興を図る国営農地再編整備事業妹背牛地区外4地区で整備を進めます。
 また、農業水利施設の計画的な更新・整備により、用排水機能を確保するため、国営かんがい排水事業北海地区外6地区で整備を進めます。江別南地区については地区完了します。また、国営施設応急対策事業長沼地区に着手しました。さらに、土地改良施設の長寿命化に向け、国営造成水利施設保全対策指導事業により各種施設の機能診断を引続き実施します。
 当部といたしましては、限られた予算の中、各種事業を効率的かつ効果的に推進するとともに各方面の方々からのご意見を大切にしながら、今後とも災害に強い安全・安心な暮らしの確保と地域の健全な発展を支えていくために一層の努力をしていきたいと考えておりますので、引き続き皆様のご支援、ご協力をお願いいたします。
 結びに、本年が皆様にとりまして素晴らしい年になることをご祈念いたしまして、年頭のご挨拶といたします。


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