建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2016年2月号〉

年頭所感

国土交通省 北海道開発局
局長 本田 幸一

 明けましておめでとうございます。新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
 昨年を振り返りますと、北海道の経済は、外国人観光客の増加や北海道新幹線の開業を控えたホテル等の設備投資の増加等もあり、穏やかに持ち直してきた一年であったように感じます。
 さて、北海道開発局では、北海道が我が国の課題解決に貢献するよう、累次の北海道総合開発計画の下で各種事業を実施してきました。
 昨年は夕張シューパロダムや舞鶴遊水地が完成し、北海道横断自動車道根室線浦幌IC〜白糠ICなどが開通しました。
 また、アイヌ文化の復興等を促進するための「民族共生の象徴となる空間」においては、国立の民族共生公園(仮称)の基本計画の検討がスタートするなど、2020年の一般公開に向けた動きが本格化してきました。
 現在、人口の急減と超高齢化、グローバル化の更なる進展と国際環境の変化、大規模災害の切迫等による時代潮流の変化等を踏まえ、平成28年度を初年度とする新たな北海道総合開発計画を策定するべく手続きが進められています。
 北海道の有利性・ポテンシャルを発揮するため、今後の方向性などが盛り込まれると思いますが、特に「食と観光」が成長分野と考えています。
 北海道開発局では農水産物の輸出拡大等の取組のため、農地再編整備や漁港における屋根付き岸壁整備を実施するとともに、北海道国際輸送プラットホーム(HOP)の取組や釧路港では飼料価格の低減を図る国際バルク戦略港湾の整備を進めるなど、農水産物の供給力強化・高付加価値化に寄与しています。
 また、国際競争力の高い魅力ある観光地づくりを推進するため、インバウンド観光に関する各種の施策等を行っております。3月に予定される北海道新幹線開業の効果が沿線地域だけに限定されないよう、交通ネットワークの整備を進めるとともに新千歳空港では国際線ターミナル利用者の急増を受け、エプロン拡張や新たな誘導路を整備するなど、道路網や空港・港湾整備による物流・人流のネットワークの充実を引き続き行って参ります。
 一方、北海道は日本海溝・千島海溝周辺に位置し、大地震・津波の発生確率が高く、また、活火山を多数有するなど、自然災害発生リスクが高い地域です。
 昨年も発達した低気圧による暴風雨や高波が発生し、浸水被害もありました。このため、治水対策を着実に実施するとともに、各種施設の耐震化、広域交通ネットワークの代替性・多重性の確保などハード・ソフト施策を組み合わせた防災・減災対策を進めて参ります。併せて、急速に進行する社会資本ストックの老朽化に対処するため、計画的な補修・更新による予防保全対策の実施など、戦略的な維持管理を進めて参ります。
 こうした中、北海道の建設業は、社会資本の整備・維持管理の担い手として、また地域の守り手として重要な役割を果たしていますが、経営を取り巻く環境は依然として厳しく、担い手の確保・育成にも引き続き取り組んでいく必要があります。このため、地域の実情を的確に把握した上で、品確法等の担い手3法の着実な推進や公共工事の発注関係事務の適切な実施、建設業の経営基盤の強化に向けた各種支援策等にきめ細かく取り組んで参ります。
 本年も、北海道開発局としてこれまで培ってきた経験や技術力、総合力を最大限に発揮して北海道が我が国全体の発展に貢献できるよう全力を尽くして参りますので、皆様の御理解・御協力を賜りますとともに、御指導・御鞭撻をお願い申し上げます。
 最後に、この一年の皆様の御健康と益々の御活躍を御祈念申し上げ、新年の御挨拶といたします。


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