建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2016年2月号〉

宮古盛岡横断道路と東北横断自動車道
釜石秋田線で復興を強力にバックアップ

 国土交通省 東北地方整備局
 岩手河川国道事務所 所長 村井 禎美

 岩手河川国道事務所は、北上川などの改修事業、八幡平山系の砂防事業、国道4号・46号、東北横断自動車道釜石秋田線や宮古盛岡横断道路の内陸側に位置する区間の改築事業を行っています。
 今回は、東日本大震災からの復興に向けたリーディングプロジェクトとなる復興支援道路の宮古盛岡横断道路と東北横断自動車道釜石秋田線(釜石〜花巻)をご紹介します。
 国道106号及び国道283号は、東日本大震災直後に内陸部から沿岸被災地への救命・救援ルートを切り開く「くしの歯作戦」により全国から復旧、救援に向かう自衛隊・消防隊やボランティアの方々の移動を支える道路として機能し、大きな役割を果たしました。
 復興支援道路は、沿岸被災地と内陸との強力な連携を促進することによる被災地の早期復興の支援、平常時も含めた救急搬送圏域の拡大による安全・安心を確保するため、横断軸の隘路箇所を解消し速達性を確保するため、かつてないスピードで整備が進められています。
 岩手県を横につなぐ骨格ができることで、地域の安全と安心を約束するだけでなく、新たな物流・観光ルートを活用したビジネスの拡大が期待されます。

1)宮古盛岡横断道路

 宮古盛岡横断道路は、交通隘路区間の解消、三次医療施設へのアクセス性向上、沿岸地域の産業・経済の復興支援等を目的とした宮古市から盛岡市に至る約90kmの地域高規格道路です。
 岩手河川国道事務所では、「平津戸・岩井〜松草」「区界〜簗川」「都南川目道路」の事業を担当しています。
 都南川目道路6km中2.6kmの本年度内の開通を目指し工事進捗を図っているほか、(仮)新区界トンネル(4,998m)や(仮)平津戸トンネル(3,159m)の長大トンネルの掘削が本格化してきたところです。
 整備が進む縦軸である三陸沿岸道路と宮古盛岡横断道路の結節点となる宮古市では、宮古港から県内外へのアクセスが大幅に向上することから岩手県初となるカーフェリー定期航路(宮古―室蘭)が計画されています。物流の変化と新たな観光が生まれ復興に弾みがつくものと期待されています。


冬期の視程障害の状況 新区界トンネル宮古側坑口の状況(H27.11末)

2)東北横断自動車道釜石秋田線(釜石〜花巻)

 東北横断自動車道釜石秋田線(釜石〜花巻)は釜石港の利便性向上、救急搬送の速達性・安定性向上などを目的とした釜石市から花巻市に至る約80kmの高規格幹線道路です。
 岩手河川国道事務所では、「遠野住田〜遠野」以西の事業を担当しています。
 昨年12月5日に遠野〜宮守間約9kmの開通を図り整備率は約8割となりました。残る区間の平成30年度の全線開通を目指し鋭意事業促進を図っているところです。
 自動車産業など工場集積の進んだ内陸部と重要港湾である釜石港が最短で結ばれることから、道路の延伸に伴い釜石港のコンテナ取扱量や利用企業数の増加につながっています。
 平成31年には、先ごろ日本国内を沸かせたラグビーワールドカップが釜石で開催されます。
 東北横断自動車道釜石秋田線等の道路整備計画も一因となり、釜石市がラグビーワールドカップ2019の試合会場に選定されました。世界中から多くの選手や観客が釜石を目指してやってきます。選手や観客の安定した移動を確保し、円滑な大会運営を支援します。
 被災地の早期復興のため、関係機関並びに地域の皆様と一丸となって、復興支援道路の一日も早い開通を目指し事業を推進してまいります。引き続き皆様のご支援、ご協力を賜りますようお願いいたします。


安倍首相・高木復興大臣にも出席頂きました
遠野〜宮守開通式の状況
開通パレードの状況 沿道での声援

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