建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2015年12月号〉

【ZOOM UP】

児童が安心して過ごせる教室配備と地域開放の空間構成

―― 周辺地域や日照条件に配慮した新校舎設計

札幌市 札幌市立月寒東小学校改築工事

外観完成イメージ

建設の経緯

 札幌市が改築を進める月寒東小学校は、昭和41年に月寒小学校の児童増加に伴い開校した。校舎棟は昭和40年に鉄筋コンクリート造地上3階建で建設し、その後4回に渡り校舎増築が行われた。屋内運動場は平成9年に改築、プール棟は平成10年に新築された。
 校舎棟の大半が築45年以上が経過し、施設の老朽化が進み、耐震性能も十分でないため改築することとなった。

建設地の特色

 月寒東小学校は、札幌市の南東部で月寒東地区のほぼ中央に位置し、道道西野白石線及び月寒東3条通に面した交通量の多い地域にある。敷地周辺は住宅地として古くから整備された地域で戸建住宅や低層アパートが多く、一般集合住宅も混在しており、月寒グリーンドーム周辺部の緑豊な環境保全地区でもある。
 また、国道36号線から700m程度の距離、地下鉄「月寒中央駅」から1.2q程度の距離、月寒体育館やカーリング場が立地し、商業地域としての利便性も高い地域となっている。

配置計画

・校舎は現状の敷地北側は低層の住宅地となっており、グラウンドからの騒音や塵埃の影響に配慮し、新校舎は既存と同様に北側とした。さらに、日影など新校舎の影響を最小限とするため、北側に向かって低くする段状形態とした。
・児童の通学方向が北及び東側からとなるため、給食搬出入車等と児童の通学動線やグラウンドの昼休み利用動線が交差しないよう配慮し、主玄関は東側としている。

平面計画

・児童が最も長く過ごす普通教室及び特別支援学習室は、日照条件の良い南側または東側に配置している。 ・1階図書室や多目的ホールなどは、昇降口の近くに設け地域開放に利用しやすい空間構成としている。また、大きめの多目的室(ランチルーム)を設けて学年間の交流や地域開放のイベントにも配慮している。 ・職員室は昇降口やグラウンドを見渡せる位置に配置し、職員室と廊下との仕切りは死角のないオープンな建具とする。



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