建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2015年11月号〉

3環状9放射ネットワークを構成する 東京外かく環状道路

―― 首都圏の大動脈

 国土交通省 関東地方整備局 東京外かく環状国道事務所
 所長 四童子 隆

 東京外かく環状国道事務所では、東京外かく環状道路(以下、外環道)の関越道〜東名高速までの区間の約16qについて事業を実施しており、東名高速〜湾岸道路までの約20qについては調査を実施しております。

3環状9放射ネットワーク構想

 そもそも外環道は、都心から15qの圏域を環状に連絡する延長約85qの道路で、3環状9放射ネットワーク構想の一つとして計画されました。以来、東名、中央、関越、東北道など放射方向の高速道路が整備される一方、環状方向の高速道路の整備は遅れていました。その結果、都心に用のない自動車が都心環状線に集中し、慢性的な渋滞が発生しています。「3環状」が整備されれば、その通過するだけの自動車がバイパスされ、都心の渋滞解消が期待されています。

これまでの経緯

 当事務所が担当する外環道の関越道〜東名高速までの区間においては、昭和41年7月に高架方式で都市計画決定されたものの、いわゆる「凍結」がされていましたが、平成12年4月より東京外かく環状国道に関する地元団体との話し合いを開始し、計画の構想段階から幅広くご意見を聴き、計画づくりに反映するPI方式により検討を進めてきました。
 その成果として、@大深度地下を活用した地下方式の採用、A環境施設帯の設置等を計画に反映し、平成19年4月に地下方式へと都市計画が変更されました。
 その後、平成21年5月に整備計画が策定され、さらに平成21年度補正予算が成立したことを受けて事業化しました。
 平成24年4月には、東日本高速道路(株)、中日本高速道路(株)に対して有料事業許可がなされ、国土交通省と共同して事業を進めていくこととなり、平成26年3月には「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」による大深度地下使用の認可、都市計画事業承認および認可がされました。
 また、平成26年7月には地中拡幅部の都市計画変更素案に関する説明会を開催し、平成27年3月に都市計画変更決定、同年6月には都市計画事業承認および認可がされました。
 なお、東名高速から湾岸道路までの20qについては、予定路線に位置付けられています。

3環状9放射ネットワーク構想

多面的な整備効果

 外環道の関越道〜東名高速までの区間が整備されれば、所要時間の大幅な短縮が見込まれ、目的地までのスムーズな移動が可能となります。渋滞している幹線道路の交通の一部が環状道路に転換し、幹線道路の渋滞が緩和します。
 その結果、幹線道路の渋滞を避けて生活道路に入り込んでいた抜け道利用交通が幹線道路へ転換し、道路の適正な機能分担が図られます。
 また、生活道路では通り抜け自動車が減少することで、安全性の向上が期待できます。


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