建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2015年11月号〉

厚幌ダム建設事業ダム本体工事

 安藤ハザマ・岩田地崎・田中特定建設工事共同企業体
 厚幌ダム作業所 統括所長(株式会社安藤・間) 上村 雅彦

堤体下流面写真

1.工事概要

 厚幌ダムは2級河川厚真川水系厚真川の北海道勇払郡厚真町字幌内地先に多目的ダムとして建設するもので、厚真川総合開発の一環をなすものです。
 建設目的は洪水調整、かんがい用水及び水道用水、流水の正常な機能の維持であり、地元よりダムの早期完成が待ち望まれています。

2.本体建設工事の特徴

 厚幌ダムは新工法である台形CSGダムが採用されており、日本で3例目のダムになります。台形CSGダムは文字通り断面が台形をしており、堤体材料の必要強度を小さくできることから、材料選定の自由度が大きく、簡易な施工設備により迅速に施工をできるという特徴を持っています。
 この特徴を活かし、現場着手から約6ヶ月で堤体コンクリートの打設を開始し、着手後約11ヶ月でコンクリートとCSGあわせ約140,000m3の打設が完了しています。
 周囲は自然豊かな土地であり、環境にも充分配慮して施工を行なっています。

CSG断面図

3.地元に親しまれる建設事業

 厚真町との交流を深めるため、地元のゆるキャラ「あつまるくん」をトラチョッキの背中や事務所案内看板に利用させていただいたり、定礎式の記念品の切手にプリントするなど「あつまるくん」とともにダム建設を行なっています。
 その他にあつま国際雪上3本引き大会(雪上での綱引き)や、お祭りの民謡流しの参加、子供会や老人会の見学会などを積極的に実施しています。
 また、毎月「厚幌ダム通信」を町内の全戸に配布し、工事の進捗状況やちょっと笑えるこぼればなしなど硬軟とりまぜた情報を提供し、地元に親しまれる建設現場・ダムを目指しています。

4.おわりに

 厚幌ダムの完成は地元では数十年来の悲願です。良いものを少しでも早く厚真町の方々にお渡しできるよう関係者のご指導とご協力をいただきながら、職員・作業員一丸となって鋭意努力しております。


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