建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2015年10月号〉

青崩峠道路工事連絡協議会の活動状況

飯田国道事務所工事安全協議会 青崩峠道路工事連絡協議会 会長
鹿島建設株式会社 関東支店
三遠南信小嵐トンネル調査坑工事事務所 所長(現場代理人)
山田 謙二



協議会パトロール状況
 私たち青崩峠道路工事連絡協議会は、飯田国道事務所が整備を進める高規格幹線道路「三遠南信自動車道」で、長野・静岡県境に位置する青崩峠道路建設に携わる企業による協議会で、会員は7社9工区(8月現在)で構成されています。
 私たちが着手しているのは、トンネル工事、橋梁上下部工事、道路建設工事などですが、この中でも工期が最も長期におよぶのは延長5,014mの県境トンネル調査坑で、区間内でもメインの工事となっています。
 というのも、中央構造線に近接した計画地の地質は、岩盤が脆弱で湧水の可能性も予測されるため、調査坑工事が必要となったものです。この調査坑は本坑と並行しており、万一のトンネル内での事故などの際には避難坑となります。
 現在、長野県側と静岡県側の両サイドから施工が同時進行しており、私たち鹿島建設は長野県側から静岡県側からは清水建設が調査坑の施工を進めています。
 また、その発生土を利用して本線道路盛土等を各社(神稲建設、木下建設、長豊建設、正光建設、勝間田建設)が並行して行い、順次「三遠南信自動車道」の完成に向け、努力している所です。
 青崩協議会の活動として、安全パトロールも重要です。原則として月に1回、第4木曜日に実施することにしています。区間内の各工事現場を巡回した後、飯田国道事務所監督官詰所で安全会議を開いて、点検結果や見直すべきポイントなどを確認し合います。
 この他、毎週木曜日には監督官を中心に週間工程会議を開催し、作業に関する調整や監督官からの伝達事項を周知徹底し、また、緊急の連絡調整を要する事項がある場合には臨時協議会を開いています。
 また、施工現場の安全・衛生対策も重要な業務です。不測の緊急時に備えて、協議会としての緊急連絡網を構築するなど、常に万全の体制を整えています。例えば、山間部は電波状況が悪く、携帯電話の不通地帯もあるので、各現場ごとに通話可能な携帯電話会社を表示したり、固定電話の場所も明示しています。必要に応じて、独自に小型アンテナを設置するケースもあります。
 緊急対応のため、各現場ごとに工事位置と工事番号、救急車の待ち合わせ場所、連絡方法を掲示しています。現場内にもAEDを設置し、また、飯田広域消防署関係者のご協力を得て救急訓練とAEDの使用方法の訓練も実施しました。
 工期内は、施工に伴う重機や搬送トラックの騒音・振動により、地域住民の方々の生活に影響する可能性もあるので、ご理解とご協力を得ながら、工事関係車両は、なるべく住宅街は迂回するなどの交通規制を徹底し、工事車両は視認性を高めるようにデイライトを点灯しています。また小学校の近くの交差点では、登下校中の児童の交通誘導も行ないました。
 作業ヤードと現道との境界部にはオレンジネットやバリケード、注意灯を設置して夜間においても分かりやすく注意を喚起しています。
 さらに地域住民の方々とのコミュニケーションも大切にしており、地元関係者や商工会議所関係者に現場を公開する一方、地域のお祭りなどのイベントにも積極的に参加するなど、交流を深めています。


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