建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2015年9月号〉

【ZOOM UP】

消防隊員の訓練を見て市民が安心感を実感できる庁舎

―― 省エネルギー対策に配慮した経済性の高い施設

滝川地区広域消防事務組合 赤平消防署 消防総合庁舎建設工事


 赤平市の新消防庁舎が、図書館、総合体育館に隣接した旧文化会館跡地で建設されている。建設地は市中心部であり、敷地の広さが限定されることから、建物は廊下を減らし動線を整理することでコンパクトかつ使いやすい施設とした。とくに、補助訓練塔を屋上に配置することで、様々な訓練が効率よく一つの建物でできるのが特徴だ。
 施設計画に当たっては、多種多様化する災害に対応すると共に、防災資機材倉庫としての付帯機能を併設。災害対策本部となる市役所や、応援協定による近隣市との連携も発揮できる施設とし、消火・救助・検索など実践的な訓練と市民対象の講習会や消火訓練などができる施設としている。また、消防・救急の主要活動空間を1階に配置し、安全で使い易いゾーニング(室・建物配置計画)や動線(人・物等の動き)を実現した。十分な収納力をもち、将来の間仕切り変更などの庁舎改修を視野に入れた設計で、地震災害時の応急対策施設として、50年程度の長期使用に耐えうる十分な耐震性を持たせている。

 建物の費用対効果を念頭に地中熱ヒートポンプを利用したパッケージエアコンや、ヒートクールチューブによる換気などの自然エネルギー利用、LED照明や断熱・採光性能の高いスタッキングドアの採用などの省エネルギー対策に配慮した経済性の高い施設となっている。




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