建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2015年8月号〉

【ZOOM UP】

市立函館病院は1860年「箱館医学所」として発足以来「地域の医療を守る」病院としてその役割を担ってきた

―― 高度治療拡充へ市立病院本棟を改修

市立函館病院本棟整備エレベーター増設・増改修工事

ヘリポート4隅からヘリポート中央の写真(南東→中央)
外部エレベーター内 外部エレベーター内

 市立函館病院は、万延元年(1860年)「箱館医学所」として創立し、北海道初の官立病院として発足以来、155年のあいだ自治体病院の本旨である「地域の医療を守る」を第一の使命と考え、それぞれの時代の要請に応じた機能充実を図り、質の高い急性期総合医療を提供する病院をとしてその役割を担ってきた。
 そして、2005年4月より運用開始された北海道のドクターヘリ事業の唯一の空白地域であった道南圏において、ドクターヘリ運用体制の構築を地域等の各医療機関とともに図り、救命医療体制の強化を目指し、2014年よりドクターヘリの基地病院として必要な施設整備を行った。

 病院建設時より設置してある屋上ヘリポートは、従来のスロープを通りPH階に降りてから、1階階下の7階までの屋上専用エレベーターに乗り、7階から救命救急センターの設置されている1階へ通じる業務用エレベーターに乗り換えて患者搬送を行っていた。しかし、ドクターヘリ運用が開始されると年間400件以上の搬送が行われることから、患者搬送の安全性の向上およびスタッフへの負担を軽減するために、7階までしかいけなかった業務用エレベーターをPH階まで上がれるよう改修し、屋上専用エレベーターを迫り上がり式のエレベーターに交換することで、長年の検討課題であったスロープを使用しない患者搬送を可能とした。
 また、これに合わせ、閉鎖中であった一般病棟を改修整備し、救命救急病棟として整備した。
 これに伴い、現在は免震装置のうち鋼棒ダンパーを油圧ダンパーに一部交換する工事を進めているところである。


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