建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2015年8月号〉

 副局長インタビュー 上川総合振興局 副局長

幹線ネットワークの整備で高規格道路との一体化を推進し
地域活性化や観光振興や物流効率化を図る

 上川総合振興局 副局長(建設管理部担当) 副局長
岸 純太郎
 きし・じゅんたろう
 昭和36年1月14日生、佐呂間町出身
 昭和59年3月 東京理科大学理工学部卒業
 平成20年 建設部土木局道路課主幹
 平成23年 札幌建設管理部事業室長
 平成26年4月 建設部土木局道路課長
 平成27年6月 現職

── 副局長就任にあたりまして抱負をお聞かせ下さい
(516)旭士別線防災B(地方道)工事(補正・明許)外
 当部が所管する上川管内は、北海道のほぼ中央に位置し、地形は南北に細長く南北の延長は224.4kmに達しています。産業としては道内有数の農業地帯として米や野菜など豊かな農産物が生産されています。観光の面では大雪山国立公園をはじめ、3つの道立自然公園を有し、山岳や湖沼、温泉などの自然や観光資源に恵まれ、道内外の皆様に親しまれています。一方、近年は豪雨等による災害も発生しています。
 管内が抱える様々な課題など地域の方々の声を良く聞き、関係機関とも連携しながら、地域特性を活かした安全・安心で活力ある地域社会の実現に向けて、社会資本整備や危機管理について、改めて気を引き締めてしっかりと対応して参ります。
── 安全で安心な地域づくりや防災対策強化に向けた取組についてお聞かせ下さい
八幡左の沢川砂防総合流域防災工事(補正)(明許)外
 道内では、近年、記録的な暴風雪や豪雨など自然災害が多発しており、この上川管内でも平成22年に大きな災害が発生しましたが、昨年8月にも豪雨による河川氾濫などで浸水被害等が発生しており、十勝岳などの活火山も抱えていることから、安全・安心が確保された地域社会の形成がますます重要となっています。
 当部では、安全で安心な地域づくりに向けて、主に次のような事業を実施して参ります。
 災害に強く安全性の高い道路整備としては、新開西神楽停車場線(新開橋)などの耐震対策を推進します。冬期における安全で快適な道路交通の確保では、吹雪対策として下川風連線(防雪柵)の整備を推進します。
 交通事故対策の推進では、東川東神楽旭川線や東山富良野停車場線、問寒別佐久停車場線などで事業を推進します。  適切な維持管理による交通機能の確保では、橋梁関係で旭川環状線(ツインハープ橋)、山部北の峰線(ふらの五条大橋)などの補修工事を行います。
 河川事業では、洪水などから地域住民の人命や財産を守る治水対策では、剣淵川、富良野川のほか、牛朱別川、ポン川、比布川、豊栄川などで事業を推進します。
 十勝岳周辺地域における砂防設備と監視観測体制の整備では、富良野川火山砂防事業で5号砂防えん堤工を推進するほか、十勝岳火山噴火警戒避難対策事業により監視機器等の整備を推進します。
 土石流などから地域住民の人命や財産を守る砂防設備の整備では、辺別川、新田中沢川、北二線川、八幡左の沢川などで整備を推進します。
 急傾斜地対策では、旭川旭神3条1丁目において事業を推進します。
 防災対応では、近年多発する異常気象などへの対策として、異常気象時等の非常配備体制の見直しなど防災対策の見直しを進めてきたところです。今後も危機管理について職員一同が常に意識を高く持つよう、訓練や研修等により防災体制の強化に取り組んで参ります。
── 平成27年度予算執行にあたり北海道の基幹産業の農業・水産業の向上や観光・環境振興など整備事業の取組をお伺いします
富良野川改修工事 デボツナイ川地区
 管内は道内有数の農業地帯であり、自然景観や観光施設などの豊富な観光資源に恵まれていることから、こうした上川地域の特性を活かした地域発展のためには、基盤となる幹線ネットワークの形成が重要と考えています。
 北海道縦貫自動車道から旭川空港や美瑛・富良野方面の観光拠点を経由し、北海道横断自動車道へ至る地域高規格道路「旭川十勝道路」の関連では、旭川北ICと旭川空港を連絡する幹線道路であり、地域における観光の振興、物流の効率化に大きく寄与する旭川東神楽道路で事業を進めるほか、国が整備する富良野北道路へのアクセスルートとなる上富良野中富良野線の整備を進めます。
 このほかにも、地域の中核都市の再生を図るための基盤整備として、3・3・7旭町通や3・3・8金星橋通などの事業を推進するほか、今年度から新たに3・3・20永山東光線の事業に着手します。
 都市と農山村の交流・共生を促進するネットワークの整備として、旭川幌加内線などの整備を推進します。農産物などの地域内物流ルートの整備では、瑞穂旭川停車場線、東山富良野停車場線などの整備を推進します。広域観光ルートの整備では愛別当麻旭川線など、観光拠点へのアクセスルートの整備では上富良野中富良野線、東山富良野停車場線、瑞穂旭川停車場線などの整備を推進します。
── 社会資本整備事業の担い手として地域社会に貢献、また災害時における復旧に活躍している建設業界へのメッセージなどおお聞かせください
辺別川火山砂防工事1工区
 建設業は社会資本整備において重要な役割を担うとともに、普段から施設の維持管理や冬期の除雪にご尽力いただき、災害発生時にはその総合力で復旧作業等に大きな力を発揮されております。
 経済面でも道内の主要産業の一つとして、地域の経済や雇用を支える上で大きな役割を果たしているところです。
 今後とも、優れた人材の確保・育成や技術力の向上をはじめとして、経営の合理化や多角化などにより経営基盤の強化を図り、質の高い社会資本整備と地域の発展や活性化に貢献されることを期待しています。
 道としても、建設業の経営効率化の促進に関しては、「三者検討会」などの取組を充実させていくとともに「建設業経営効率化推進協議会」を活用し、なお一層の情報の共有化を図るなど、建設業の経営体質強化支援に向けての取組を進めて参ります。

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