建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2015年8月号〉

 副局長インタビュー 空知総合振興局・石狩振興局

多彩な観光・食資源を活かし地域の価値を高め個性ある地域づくり支える社会資本整備を推進

 空知総合振興局(建設管理部担当) 兼 石狩振興局 副局長
上谷 誠司
 かみや・せいじ
 昭和33年12月29日生、函館市出身
 北海道大学工学部衛生工学科
 昭和60年4月 北海道庁採用(室蘭土木現業所)
 平成10年4月 建設部道路計画課 計画第一係長
 平成11年5月 建設部道路計画課 主査
 平成14年4月 建設部道路計画課 道路企画係長
 平成16年4月 建設部都市計画課 主幹(小樽市派遣)
 平成18年4月 建設部建設管理局建設情報課 主幹
 平成20年4月 札幌土木現業所企画総務部 企画調整室長
 平成21年4月 建設部建設管理局建設政策課 参事
 平成22年4月 建設部建設管理局建設政策課 新幹線基盤支援担当課長
 平成23年6月 建設部まちづくり局 都市計画課長
 平成25年4月 岩見沢市副市長
 平成27年4月 建設部建設政策局 次長
 平成27年6月 現職

── 副局長就任にあたり抱負をお聞かせください
上谷 札幌建設管理部は、平成20年4月から1年間、企画調整室長として勤務しておりましたので、6年ぶりの勤務となります。
 当部が所管している石狩・空知地域は、北海道の政治・経済の中心的な役割を担うとともに多彩な地域資源に恵まれていますので、市町村や地域の皆様の声にしっかりと耳を傾け、地域の特色を活かした個性ある地域づくりや安全・安心な暮らしを支えるための事業を推進していきたいと考えています。
── 安全で安心な地域づくりと防災対策強化に向けた取組についてお聞かせ下さい
上谷 昨年8月に広島県で発生した土砂災害等を踏まえ、土砂災害防止法が改正され、基礎調査結果の公表の義務化などと併せ、概ね5年を目途に基礎調査を完了することとなりました。道では、これまでも、土砂災害危険箇所の基礎調査及び土砂災害警戒区域等の指定を進めてきていますが、この指定率については、全国平均を大きく下回っているのが現状ですので、札幌建設管理部では、本年度、約400箇所の基礎調査を完了させたいと考えています。
 また、道路の継続事業として、妹背牛市街地と深川市音江町の国道12号を結ぶ区間に位置する増毛稲田線の妹背牛橋の架け替えを進めています。妹背牛橋は、地域の生活や産業を支える重要な橋ですが、大型車両のすれ違いが困難なことや老朽化などが懸念されており、安全な道路機能を確保することを目的とした事業です。
 街路事業として、恵庭市の3・4・111基線通は、通学路としての安全性や利便性向上のため、JR跨線橋の架け替えを含む拡幅事業を実施します。
 岩見沢市の3・4・10駅前通は、地域の高齢化に備え、バリアフリー化や電線地中化を行い、安全安心な回遊性の高い歩行環境を整備し、まちなか居住の促進を支援することとし、岩見沢駅に向かう通勤通学等の利用者も多いことから、歩道拡幅やアーケードの撤去により歩行者・自転車の安全性、快適性の向上を図ることを目的として整備を進めています。  河川事業としては、平成24年9月の大雨により岩見沢市内で浸水被害が発生した利根別川において、新たに支川を含めた改修事業に着手しており、特に溢水被害の発生した支川南利根別川については、早期の完成を目指して工事を進めています。
 平成16年度から改修事業を進めてきている札幌市内の望月寒川は、住宅が密集する市街地を流れており、現況の河道を大きく拡幅することは困難であるため、上流部において河川トンネルによる放水路を整備し、下流部の河道整備とあわせた合理的な河川改修を進めています。昨年度から放水路トンネル工事に着手し、本年度はセグメント製作やシールドマシン製作などを予定しており、平成31年度の完成を目指しています。
 砂防事業としては、土石流等による土砂災害の発生が懸念される深川市内のオキリカップ支流川において、土砂災害の避難場所や国道12号などを保全するため、引き続き、砂防施設の整備を進めています。
恵庭岳公園線
── 平成27年度予算執行にあたり北海道基幹産業の農業・水産業の向上や観光・環境振興など整備事業の取組をお伺いします
上谷 空知・石狩管内は、多彩な観光資源や美味しい食に恵まれているので、このような地域の価値を高めるための社会資本整備を進めていきたいと考えています。
 道路の継続事業として、美唄富良野線は、南空知地域と上川南部地域の短絡ルートを形成する路線であり、農産物流の効率化や観光アクセスを向上させるため、未開通区間の道路建設及び現道の拡幅などを進めてきています。
 仁別大曲線は、北広島市仁別を起点とし国道36号との交点を終点とする路線で、北広島市大曲地区における国道36号の恒常化した交通渋滞を緩和するバイパス機能を果たすとともに、広域的な幹線道路網を形成し、道央圏の円滑な交通の流れを確保するため、今年度中の一部供用を目指して整備を進めています。
 恵庭岳公園線は、恵庭市盤尻の国道453号から恵庭市街地へ続く路線で、危険箇所を解消し、支笏洞爺国立公園内の観光ルートの安全な通行の確保を目指して整備しています。
仁別大曲線
望月寒川
── 地域活性化に向けた社会資本整備事業に貢献し災害時の復旧対策などを担う建設業界への要望・期待などお聞かせ下さい
上谷 建設産業は、地域住民の安全・安心な生活の確保や地域創生の担い手としての役割を果たすなど、地域に密着した重要な基幹産業です。
 道としては、人づくりや経営力強化に取り組む企業の積極的な支援に努めてまいりますので、建設業界の皆様には、建設業が地域において果たしている大きな役割や「建設業の魅力」を広く発信するなど、優れた技術者や技能者の確保・育成に努めていただくとともに、今後とも、魅力的で安全・安心な地域づくりの重要なパートナーとして、一層のご理解とご協力をいただきますようお願いします。

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