建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2015年7月号〉

発注者と施工業者と近隣住民との三位一体となった安全衛生活動を目指して

 長野国道事務所 工事安全対策協議会 中部横断自動車道出張所支部
 三井住友建設(株)小宮山橋作業所 監理技術者 木村 裕史


 中部横断自動車道は、静岡県静岡市を起点とし、山梨県甲斐市を経由して長野県小諸市に至る延長約132qの高速自動車国道です。
 このうち長野国道事務所中部横断道出張所で担当しているのが長野県内の部分です。
 そして現在工事が行われているのが、佐久南ICから八千穂ICまでの間約14.6qで、平成27年6月現在、24工事19業者により土工事から橋梁等構造物の施工などまさに最盛期を迎えております。
 このような状況の中で工事における労働災害、公衆災害および交通災害等を防止するため、発注者と受注業者がお互いに緊密に連携をとり、安全衛生に関する事業を実施することにより、労働安全衛生水準の向上を図ることを目的として本協議会支部を組織しております。
 協議会支部の活動としましては毎月1回支部会員全員が一堂に会し協議会を開催しております。
 この協議会では、安全に関する連絡事項として毎回テーマを持って開催し、会員による安全活動の発表や事故防止のための意見交換会など行うとともに、労働基準監督署や警察署、消防署、中部電力等からの外部講師を招いて安全講話を行っていただき労働安全衛生のさらなる意識向上に努めております。
 また、協議会の後、会員相互による安全パトロールを実施し、工種の異なる他業者や同様な工事を行っている他業者による異なる視点から現場を見ていただき、日頃気づかないような災害の芽を摘み取る努力を行っています。
 その他、週1回の工程調整会議を開催し、工程の確認調整を行うとともに、関係工事の施工調整や発注者と受注者の双方向での意見情報交換の場として利用しています。
そしてさらなる安全活動として、現場関係者のみならず近隣沿線住民や周辺環境に対しても安全衛生対策を実施しています。
 中部横断自動車道の工事においては大型工事が多く、土工事でのダンプトラックの土運搬による国道等一般道の走行、大型クレーンによる橋梁架設や大量の資機材の般入出による大型トラックや生コン車の走行などに対する安全衛生対策として、大型車運行時の安全走行マップの作成と周知を、近隣沿線住民に対しては、粉じん対策として防塵ネットの設置や散水による抑制および出入り口でのタイヤの洗浄などを行い、振動や騒音に対しては、低減のため道路等の段差解消など行いその数値を電光掲示板でお知らせするようにしています。
 その他、近隣沿線の小学校で交通安全学習会を行い積極的に工事用車両の走行に対する理解を深めていただいたり、近隣沿線住民に対して工事便りを配付し工事の進捗具合やお知らせを行っています。
 また沿線の清掃活動や草刈り、冬季の除雪の支援なども積極的に行い地域への理解に努めています。さらには現場見学会を開催し大型クレーンによる橋梁の架設作業や重機などの工事用車両に乗ったり触れたりして興味と理解をしていただいています。参加していただいた子供たちから将来このような業界に携わりたいと思う子が一人でも増えればうれしい限りです。
 最後に、今後も中部横断自動車道の工事は続いて行きますが、我々の安全衛生活動の努力が無事故無災害につながりますように祈念致します。

現場安全教育 除雪支援


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