建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2015年7月号〉

長野県東部と太平洋を結ぶ「中部横断自動車道」

 国土交通省 関東地方整備局
 長野国道事務所 所長 護摩堂 満

1.事務所概要

 長野国道事務所は、長野県の主要な幹線道路である国道18号、19号(塩尻市以北)及び20号等の改築及び管理、交通安全対策、防災対策、高規格幹線道路である中部縦貫自動車道、中部横断自動車道の調査、改築、権限代行として国道158号の一部区間の改築を実施しています。その中から今回は、中部横断自動車道について概要を紹介します。

2.中部横断自動車道の概要

 中部横断自動車道は静岡県、山梨県、長野県の3県を南北に結ぶ延長約132kmの国土開発幹線自動車道で、静岡県静岡市を起点に山梨県甲斐市を経由し、中央自動車道と一部重複して、小諸市に至る高速自動車国道です。
 うち、長野県内については(仮称)八千穂ICから佐久小諸JCTの延長約23kmが直轄高速として整備を行っており、佐久南ICから佐久小諸JCTまでの約8kmが平成23年度に開通。残る(仮称)八千穂ICから佐久南ICまでの約15kmを平成29年度の完成に向け、道路設計、埋蔵文化財調査、用地買収を行うとともに、改良工事、橋梁工事を実施しています。また、基本計画区間である山梨県の中央自動車道(仮称)長坂JCTから(仮称)八千穂IC間は今年度都市計画・環境アセスメントを進めるための調査を実施します。

国道141号南牧村一場坂付近(急カーブ急勾配)        国道141号南牧村海ノ口付近(幅員狭小区間)

3.中部横断自動車道整備効果

 現在、佐久地域を南北に連絡する幹線道路は国道141号のみであり、地域の生活、観光、産業、医療等を支える道路ですが、渋滞による損出時間が全国平均の3倍、狭小幅員区間や線形不良、急勾配区間が存在するなどが課題となっています。
 当該地域の主要産業(シェア全国1位)であるレタスは高速道路の整備とともに、消費地への搬送時間が短縮されることから、出荷量が大きく増加し、当該地域の主要産業となっています。中部横断自動車道の整備が促進されることで、更なる販路拡大、他、観光等への地域活性化に資することが期待されます。
 また、高速道路によるネットワークにより、地域唯一の救命救急センターである佐久総合病院と圏域人口41万人の救急医療体制が構築されるなど地域への安心安全への貢献も期待されます。

4.おわりに

 長野国道事務所が取り組んでいる道路事業の一環をご紹介いたしましたが、道路整備については早期に整備効果が発揮できるよう地元の皆様のご協力をいただきながら、関係する機関と全力で取り組んで参ります。


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