建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2015年7月号〉

みなとまち新潟を支える港湾整備、新潟の安全安心を支える空港整備、海岸整備

―― 安全安心な北陸地域づくりのため事業推進

 国土交通省 北陸地方整備局
 新潟港湾・空港整備事務所 所長 松本 祐二

1.はじめに

 当所は、国土交通省の出先機関として、港湾、空港、海岸の整備等を所管し、社会資本整備を通じて、安全・安心で豊かな生活を支える北陸の地域づくりを支援しています。新潟県・長野県を管轄として、現在、新潟港、新潟港海岸、新潟空港の整備等を実施しています。
@新潟港の整備概要
 新潟港は、2地区で構成されます。西港区は、古くから栄えてきた信濃川河口部に位置し、約20km離れた東港区は、工業港として築港(掘込式)されました。
 西港区は、長距離フェリーや離島航路の発着など市街地に近接した人流や国内物流の拠点となっており、東港区は、港湾背後に工業地帯(製造業等200社を超える企業・事業所が集積、港口部にはエネルギー関連施設立地)を有し、国際物流やエネルギー供給の拠点となっています。
 西港区においては、長距離フェリー等の入港船舶の安全確保のため、防波堤整備を推進しています。また、河口港で航路水深の確保が必要不可欠であるため、航路泊地事業の推進により、必要水深を確保しています。
 東港区においては、経年劣化で防波堤前面の洗掘が生じ、防波堤本体の安定性低下が危惧されており、その対策改良工事を実施しています。
A新潟港海岸の整備概要
 新潟西海岸は、信濃川河口部にあり、海岸近くまで住宅が密集する状況にあります。これまで約350mも海岸線が後退(侵食)するなど全国有数の侵食海岸であり、安全安心の確保のため侵食対策を講じてきたところです。これまでは、消波ブロックを設置し侵食を防いできました(線的防護)。
 昭和61年度からは、新しい面的防護工法(潜堤、養浜、突堤の組み合わせ)により、海岸保全に取り組んでいるところです。

新潟港海岸

B新潟空港の整備概要
 新潟空港は、国内線8路線、国際線3路線の定期航路を有する航空ネットワークの一翼を担う国管理空港で、主滑走路(B滑走路)2,500mを有しています。
 平成16年の新潟県中越地震の際には、地震直後から緊急輸送の拠点として、また、寸断された陸上輸送機関(上越新幹線等)の代替輸送を行うなど、重要な役割を果たしました。
 全国的に空港の耐震対策は、国土強靭化、防災減災の観点から国策として推進しているところですが、新潟空港も航空輸送上重要な空港13空港「地震に強い空港のあり方検討委員会(平成19年4月)」に位置づけられ、重点的にB滑走路の耐震対策事業を推進しているところです。
 また、老朽化した滑走路等の改良工事も推進しています。

新潟空港

2.みなとを核とした地域振興(開港150周年に向け)

 新潟西港は、みなとのシンボル「みなとタワー」、ウォーターフロントとしての特性を活かした国際交流拠点「朱鷺メッセ(国際展示場、ホテル、緑地の複合施設)」や、市民が憩う「港湾緑地」、「歴史博物館」等を有することに鑑み、平成19年「みなとオアシス新潟」の登録・認定を受けました(登録・運営主体:新潟市)。
 そして、各種イベント(夕涼みコンサート、みなと・しもまち・川祭り、新潟酒の陣等)を通じ、「みなと」を核としたまちづくりが展開されており、当所としても、夏のイベントガイドづくり・配布等の支援をさせて頂いています。
 また、近年のクルーズ人気を契機に、交流人口の増加等を図る取り組みがなされています。新潟市においても「新潟港クルーズファンクラブ」を発足させ、想定以上の登録数(発足1箇月で約700名)を数えており、当所も全面的に協力しています。
 さらに、新潟西港は、江戸時代より北前船の寄港地として栄え、1869年の開港から世界と繋がり、はや1世紀強、2019年には開港150周年の節目を迎えます。
 150周年の気運を高めるため、様々なイベントが企画され、更なる賑わいの創出が見込まれているところです。

3.おわりに

 港湾をはじめとするインフラ整備について、当所に対する地元からの期待が大きいことから、必要な事業予算をしっかり確保すると共に、しっかり事業効果が発現されるよう着実な整備を行いたいと考えています。
 また、開港150周年(2019年)に向けて、国際的な文化・経済交流拠点として新潟港のさらなる発展、クルーズ振興のさらなる取り組み等に、地域の注目度が集まるものと考えております。当所としても、関係機関と連携し、港湾振興に尽力していきたいと考えております。

クルーズ船のおもてなし行事       みなとタワーを活用した地域イベント


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