建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2015年6月号〉

【ZOOM UP】

太陽、人、緑とふれあう環境作りを目指して

北海道北見市 高栄D団地市営住宅建替事業(3・4号棟)

外観完成イメージ(南側)

 北見市が建替を進めている高栄団地は、JR北見駅から北西に約4qの緑ヶ丘丘陵のふもとに位置する住宅団地である。昭和45年〜51年に建設された公営住宅、民間賃貸住宅、戸建て住宅など合わせて約1700戸からなる大規模団地であり、現在は、建設当初に植樹した桜などの樹木もかなり大きく成長し、自然環境に恵まれた緑豊かな団地となっている。
 団地の建替は、現在の基準に照らし合わせると、居住面積が狭く、浴室もなく、老朽化が著しいため、このような状況を改善すべく、平成9年度に策定した再生マスタープランにおいて建替団地と位置づけ、平成11年度には、高栄団地建替事業基本計画を策定し、「太陽、人、緑とふれあい、集う団地」を全体テーマとして既存の市営・道営を合わせた904戸を727戸へ整備する計画とした。
 平成12年度から建替事業を開始し、平成26年度までに市営・道営合わせて18棟473戸が竣工しており、このうち40戸(市営30戸、道営10戸)については、高齢者が自立して快適に生活することができるようライフサポートアドバイザーといわれる生活援助員が常駐したシルバーハウジングを整備している。
 D団地については、4棟80戸の計画としており、団地全体のテーマを基本とし、「北見の風土や敷地特性に配慮した環境共生型の住環境」などを建替の基本方針として定め、団地内敷地にコミュニティを形成する場としての「ポケットパーク」や緑とふれあいながら歩くことができる高齢者等に配慮した、「緑の歩道」の整備を行うこととしており、地形を活かしたレベル設定や外構計画、及び北見の日照率の高さを生かし、廊下越しの採光居室がない南面採光が確保された住空間をつくり、環境負荷の低減を図っている。
 また、住棟内部では、北海道ユニバーサルデザイン公営住宅整備指針に基づき手すりの設置、住宅内の段差の解消、介助空間を確保した便所、玄関に折りたたみ式ベンチを設置するなど誰もが安心して暮らせるユニバーサルデザインに配慮した設計としている。
 1、2号棟は、平成25年に完成し、現在3、4号棟2棟40戸の建設を進めており、本年7月の完成を予定している。


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